平成20年6月2日
浜田市議会議長 牛尾 昭 様
議会運営委員会行政視察報告書
下記のとおり視察を行いましたので、その結果を報告いたします。
記
1.期 間 平成20年5月8日~5月9日
2.視察先 鳥取県 南部町議会 ・ 鳥取県 米子市議会
3.参加者 <議会運営委員会>
下隅義征委員長 ・西田 平副委員長 ・新田勝己委員
山田義喜委員 ・澁谷幹雄委員 ・大谷弘幸委員
川神裕司委員 ・岡田治夫委員 ・美浦美樹委員
<議長代理同行> 原田義則副議長
4.調査の概要
【南部町議会】
(1) 議会基本条例の制定の経緯及び運営等について
制定に至る経緯、執行部の反問権の取扱いなど
(2) その他議会運営について
定例会の流れ、常任委員会審査の方法など
【米子市議会】視察事項
(1) 定例会の運営方法(流れ)について
議案配付(全協説明)、質問通告〆切、代表質問(各会派1日)、
予算審査特別委員会(分科会方式)の審査の流れ及び運営方法など
(2) 自治基本条例の制定に向けた取り組み状況について
取り組みの経緯、市民検討委員の募集方法、制定に向けたスケジュールなど
(3) その他議会運営について
**初めに**
議会運営委員会として、市民の視点に立った市政運営の活性化に向け取り組むことが求められている。自治体の政策形成能力と議会の果たす役割を再確認をしながら、視察報告書のまとめをします。
自治体の政策に法的な正当性を与えるのは議会である。地方自治法において議会は、自治体運営における最も重要な機関として位置付けられているが、これからの地方分権時代においてその役割が一段と増すと言われている。議会と首長は車の両輪と言われているが、決定権という側面から見ると、むしろ議会の方がより重い役割を担う機関であると言われるのである。
とりわけ議会が重要だと思われるのは、情報公開と説明責任を担保するという役割においてである。行政の透明性を追求し説明責任を果たすことは、大切な要素である。
議会には、政策を審議する過程で質問調査権があり、最終決定権がある。議会が本来の機能を発揮することこそが、情報公開と説明責任を保障することになる。
今後より一層の議会の活性化に取り組むために下記のとおり先進地への視察を行なった。
**鳥取県南部町議会**
(視察の対応者:南部町議会議長、議会基本問題調査特別委員長、議会事務局長)

南部町は、平成16年10月1日、旧西伯町・旧会見町が合併し、人口約12,100人の町で、議員定数は16人である。
調査事項①議会基本条例の制定の経緯及び運営等について
平成19年12月町議会定例会で議会基本条例を委員会提案し、全議員一致で可決した。
『議会基本条例の特徴点』
基本条例は全12条からなり、町民の信託にこたえるために南部町議会の基本的事項を定め、議会の果たすべき役割と責任を明確にした。その中でも、特徴点は、
1. 議員の政治倫理を規定
2. 議員間の討議を規程
3. 町長等の質問権を規程
町長の質問権や議員間の討議条項は、議会における会議の論点を深め、議員の質問・発言の裏づけに基づく妥当性・客観性・先見性などさらなる質的向上により議会の活性化を求めるものである。
また、この条例は栗山町議会、四日市市議会に学んだそうである。
これまで議員は言いっぱなしの感があり、執行部は答弁のみで反論をしてみてはと言ってきた。
(基本条例制定に至る意見交換の内容)
○ 年7回の特別委員会の議論の特徴について
1 意見や修正により議論を繰り返してきた
2 政治倫理の規定について、議員が町と契約を行なった場合に報告までするべきかどうか
3 町長等の反問権の規定が最後まで残ったが、根拠のない質問をしなくなる効果が期待できる
○ 議員間の討議について
1 議長の許可で討論、意見を深める期待感があるが、実際にはまだ1度も行なっていない。
○ 反問権の取り扱いについて
1 町長等の反問権の規定が最後まで残ったが、根拠のない質問をしなくなる効果が期待できる
2 議員と同じように執行部もしっかりした発言になる。委員会では執行部からの発言が実際にあり、言いっぱなしはなくなる。

調査事項②その他議会運営について
一般質問の議員の発言持ち時間は30分とし、答弁時間は制限しない方法。一括質問方式で、再質問は一問一答である。
各定例議会で、16人中10~12人が質問する。施政方針に対する質問は、項目だけを通告している。
発言は無修正でCATVにより放映している。全ての会議を原則公開している。
**鳥取県米子市議会**
(視察の対応者:米子市議会議長、事務局長補佐、議事調査係主任、企画部次長、企画部主査)
米子市は、平成17年3月31日に旧米子市・旧淀江町が合併し、人口約149,000人の都市で、議員定数は30人である。
調査事項①定例会の運営方法(流れ)について

定例会前に議会運営委員会、全員協議会で提出議案の説明を受け、代表質問を会派別に1日の日程で4日間開催し、会派の議員が関連質問を行なっている。一般質問にあたる各個質問、議案に対する質疑、議案等の委員会付託は本会議1日間の日程で行ない、代表質問(会派別)に重点がおかれていると思えた。(3月定例会)
予算審査特別委員会は、分科会方式を採用し、分科会では結論は出さずに全体会の特別委員会で採決を行なっている。
調査事項②自治基本条例の制定に向けた取り組み状況について
米子市における自治基本条例の説明資料を要約する。自治基本条例とは、「まちを元気にするために、物事を考えたり、決めたりする場合の根本的な考え方や仕組み、ルール」を定めたもので、まちづくりの基本となるものである。一般的に、まちづくりの基本理念や基本原則、市民を主体とした位置付け、市民の権利や責任等を規定されている。
1 取り組みの経緯
旧米子市の「市民と協働による地域づくりの推進」と旧淀江町の「創造と実践!あなたが主役のまちづくり」を合併後、新米子市総合計画を平成18年に作成。
米子市協働のまちづくり推進本部を平成20年2月に設置した。
2 市民検討委員の募集について
公募実施要項を定め、満18歳以上の市民で小論文800字程度で「応募の動機」「米子のまちづくり」「市民が果たす役割」についての考えを募集。
28名の応募があり、20~70才代で、市の若手職員4名が含まれていた。
3 制定に向けたスケジュールについて
「自治基本条例検討委員会」の設置を本年4月に行ない、7月を目途に条例の骨組みを作成し、シンポジウムの開催、その後研修等を重ねて最終案をまとめ、答申、議会に提案制定となる。
(意見交換の内容)
○
協働等市民の責任と義務について

1 義務と責任については、まちづくりに関わる全ての人に関わると思っている。今のままでは持たないと感じている。
行政もサービスの提供から変えていく必要があり、市民も例えば、地域の防災、防犯を変えていかないと安全が確保できないと思っている。
* *最後に**
今回の視察では、南部町議会の議会基本条例と米子市の自治基本条例の意見交換が中心であった。
本市は、議員政治倫理条例の制定に向けて取り組み中であるが、南部町議会は政治倫理を含む基本条例の内容であった。議員間の討議や町長の質問権は、言いっぱなしの感がある本市にとっては新鮮な制度であり、一考に値するものと思った。私たちに当てはめたとき、質問・発言の裏付けに基づく妥当性・客観性・先見性などさらなる質的向上が問われている。
米子市の自治基本条例は、制定に向けて取り組み中であったが、本市に照らしてみるとき、市民を中心とする一斉清掃、子ども見守り隊等のまちづくりにその芽生えは感じるが、条例制定への結びつきは困難かと思った。
新市誕生以降、議会の活性化・議会改革は、確実に動いている。今回の視察を糧として更に強化していくことを踏まえ報告とする。
(報告書作成者:新田勝己)