浜田市議会は開かれた議会をめざします
文字の大きさ変更
議長・副議長議員名簿市議会とは会議予定と結果会議録の閲覧政務調査費請願・陳情/傍聴視察の報告・案内議会からの広報特別委員会の取組議会改革の取組基本条例の取組
浜田市議会トップページ浜田市トップページ

平成20年度総務文教委員会視察報告書

更新:2010年09月24日

 

                                                                                                                                                平成20年6月24日
 
       浜田市議会議長  牛 尾  昭  様       
 
         
            
 
 
 
                                          総務文教委員会行政視 察 報 告 書
 
 
   下記のとおり視察を行いましたので、その結果を報告いたします。
 
                                                                 記
 
 
   1、期 間      平成20年4月21日(月) ~ 4月24日(木)  4日間
 
   2、視察先     東京都 杉並区 ・ 岩手県 遠野市 ・ 岩手県 滝沢村
 
   3、参加者     西田清久(委員長) ・ 道下文男 (副委員長) ・ 湯浅 勝・中村建二
           ・ 江角敏和 ・ 川神裕司・ 澁谷幹雄 ・ 平石 誠            
       
 
  4、調査の概要
        東京都 杉並区   1.教育行政の取り組みについて
                    2.減税自治体構想について
 
        岩手県 遠野市   1.新エネルギー(木質バイオマスの利用と木工団地)について
            
        岩手県 滝沢村    1.行政組織機構改革について
                    2.総合型スポーツ支援について
 
 * はじめに
 今回の行政視察は、全国でもトップクラスの教育行政、減税自治体の杉並区、『永遠の日本のふるさと』をシンボルに、豊かな地域資源を活用してのまちづくりに取り組む遠野市、日本一人口の多い村で行政組織のフラット化を実践するほか、生涯学習としての総合型地域スポーツクラブ振興に取り組んでいる滝沢村、この3箇所で研修を組んだ。
 
東京都 杉並区      4月21日(月)15:00~17:10
杉並区は、東京23区の西側に位置し、東京の発展と共に比較的自然に恵まれた住宅都市としての性格を持ちながら成長してきた。現区長は、就任9年目で「小さな区役所で五つ星のサービス」をめざし、行財政の改革に取り組んでいる。特に、教育、財政面において日本のトップクラスを目指している。
面積は[34,02k㎡]、人口[536,657人]、世帯数は[299,467戸]、高齢化率[18,6%]、区職員[3,868名]、区議会議員[48名]である。                      (H20.4.1現在)
 
 1. 教育行政の取り組みについて
 「いいまちはいい学校を育てる。学校づくりはまちづくり」をモットーに、平成17年に杉並区教育ビジョンを策定し、
 ◎「教師(師範)」を育てる。                             画像
 ◎ 自立と責任のある学校をつくる。
 ◎ 地域の教育力を高める。の、三つの方針を柱に、
  『地域主権の立場で』、
 (1)全国に先駆けた教育改革を推進する。
 (2)地域の核となる学校づくりを推進する。
 (3) 区民に身近な開かれた教育委員会を目指す。
 (4)教育立区の実現に向け、教育ビジョンの計画的推進を図る。
  と、取り組んだ。
 全国的に知られているものでは、教員の人事異動に『この指とまれ』方式を採用し、学校長が求める教師像を学校のホームページ等で公表して、教員側も各学校長が公表した、目指す学校像の実現のために、自身の能力や技量、意欲等を記載した願書を各学校長に送付してアピールを行う。というものである。そして、和田中学校では、放課後や土曜塾の講師が授業をする、『夜スペシャル』、そして民間企業出身の藤原和博校長が就任した5年前から、勉強が苦手な生徒に学生ボランティア等による土曜補修の実施をしている。また、昨年度より、区費により4月から師範館一期卒業生等21名を小学校に、8月には二つの中学校に二人目の副校長を配置した。
 なかでも開かれた学校づくり、地域に根ざした学校づくりとして地域運営学校としての取り組みで「学校運営協議会」を設置し、地域住民や保護者などが一定の権限を持って学校運営に参画し、教育委員会、校長と責任を分かち合いながら学校運営に携わるという斬新的な取り組みを行っている。
 当委員会から、杉並区の教育の発想理論者、教育委員会の職員の指導法、師範館、民間人校長の選考方法等々、時間を延長していただいて質疑応答が行われた。
 
 2. 減税自治体構想について
 この構想は、[毎年、予算の一定割合を積み立てる]⇒[税収の増減に左右されない強固な財源基盤の確立をする]⇒[将来はその利子により住民税の減税を目指す] というものであり、二宮尊徳の「分度」、「推譲」の考え方、福沢諭吉や松下幸之助の無税国家構想に学んだものである。
 意義として
  ◆ 単年度主義の「使い切り型予算」の見直し
  ◆ 次世代に「正の遺産」を残す選択を可能に
  ◆ 災害時など緊急時の備えに   である。
 経常収支比率(94,1%)、区債残高(872億円)、財政調整基金残高(19億円)の平成11年の倒産寸前の財政状況から、7年間で745名の職員を削減し、区の仕事の民間化を51,2%実施した。
 その結果、経常収支比率(72,3%)、区債残高(38億円)、財政調整基金(220億円)19年度末見込みとした。もう少しで借金はすべて返済可能となり、減税自治体構想に至ったわけである。
 私達は、職員の745名削減と民間化51,2%に驚き、この構想に聞き入った。
 課題として、
 (一) 税率を下げると減収分が国や都からの交付金が補填されない。
 (二) 「積み立てるお金があるなら、今使うべき」という区民の意識がある。  等々である。
 委員からは、職員の意識改革についての取り組みとか、構想研究会の中身や無税化のときの課題等々について熱心に質問がなされた。
 
《岩手県遠野市》     4月22日(火)14:00~16:00
 遠野市は、隆起準平原といわれる北上高地の中央に位置し、標高1,917メートルの早池峰山を最高峰に、標高300~700mの高原郡が周囲を取り囲んでいる。冷涼な気候と豊かな自然環境を生かした農林業を基幹産業とし、米を中心に、野菜、ホップや葉タバコなどの工芸作物、畜産が複合経営されており、ホップやヤマメの生産量日本一、東北一のわさびの生産地として知られている。また、低コレステロール食肉として注目されているジンギスカンの生産量は日本一といわれている。
 面積[825,62k㎡]、人口[31,371人]、世帯数[10,730戸]、高齢化率[32.5%]職員数[425名] 、議員数[22名]である。                        (平成20年3月末現在)
 
 新エネルギー(木質バイオマスの利用と木工団地について
 基本理念として「遠野スタイルの創造」を掲げ将来像を「永遠の日本のふるさと遠野」として、
  (一)自然を愛し共生するまちづくり           画像
  (二)健やかに人が輝くまちづくり
  (三)活力を創意で築くまちづくり
  (四)ふるさとの文化を育むまちづくり
  (五)みんなで考え支えあうまちづくり
と、総合計画を立てて取り組んでいる。平成14年2月に「遠野市地域新エネルギービジョン」を策定し、石油代替エネルギーへの転換を始めとする循環型社会への転換を図るためのリーディングプランを策定した。また、平成16年3月には「遠野市木質系バイオマス活用推進計画」を策定しており、市内に賦存する木質バイオマスの利活用による森林の保護や育成と木材の利用促進と、その持続可能の調和や融合を模索しているところである。
 また、市の総面積としては全国で10番目に広く、森林面積も83%を占めるため、この豊かな森林資源から産出される加工、製品製造までの作業工程の連携強化により、森林産業の高付加価値を目指し主に集成材等を製品化し、その需要拡大を推進している。
循環型林産業システムでの原木から製品までの一貫生産体制での地域林業及び木材産業の振興で、団地内事業でこれまでに総額130億円を売り上げ、100人を超える従業員を雇用している。また、バイオマスタウン構想として、端材・オガクズは100%利用すると共に、1万頭の家畜の排泄物堆肥化推進を図っている。
青笹町では保育園・児童館にペレットボイラーを設置し、床暖房やロードヒーティングに使用している。灯油ボイラーと比較しても燃料代はあまり変わらないが石油燃料価格高騰の中で注目するところである。
当委員会からは、木工団地での市民との連携やペレットの経費等についての質問が相次いだ。
 
《岩手県滝沢村》    4月23日(火)13:30~15:30
 滝沢村は、人口日本一の村で盛岡市の北西隣りにあって、岩手山麓部から平坦部にかけて、酪農、米、野菜等を主体とした都市近郊農業地帯で、現在では、平坦部より民間宅地開発、事業所の立地が進み、都市化が進行している。特に、東部地域に平成10年に岩手県立大学が開学し、盛岡大学などの私立大学、岩手県立農業高校、試験研究機関等が集積している。
面積[182,32k㎡]、人口[52,999人]、世帯数[19,601戸]、高齢化率[14,9%]職員数[298名] 、議員数[22名]である。(平成20年3月末現在)
 
 1、行政組織機構改革について
  滝沢村は、「幸せ地域社会」の実現を目指し、『日本一顧客に近い行政活動への挑戦』として、
     ◆ 平成10年 3月: 庁内LAN稼動開始
               4月: 情報公開スタート(自治大臣賞表彰)
     ◆ 平成11年 4月: 組織のフラット化第一段階(係制廃止)
     ◆ 平成12年 8月: ISO14001認定証取得
             11月: ISO9001認定取得
     ◆ 平成14年 4月: 行政経営モデル構築着手
                  フラット化第2段階(補佐廃止、部制施行)
             10月: 人事考課試行・事務事業評価研修開始
                    11月: 行政経営理念制定
     ◆ 平成15年 4月: 収入役廃止、「新しい総合計画」策定スタート
     ◆ 平成16年 4月: 管理職を職員投票で選考方針展開実施      
     ◆ 平成17年 4月: 「第5次滝沢村総合計画」施行
     ◆ 平成18年 4月: 総合計画・組織機構・予算との連動
     ◆ 平成19年 4月: 部名称の一部簡素化
 と、大きな変革をされてきた。
 そして、平成17年 には、『岩手県経営品質賞受賞』、平成18年には『2006年度日本経営品質賞地方自治体部門』を受賞した。
特に、若いうちから仕事の決定に関与し、責任を持って仕事に当たるというシステムとして課長補佐や係長を廃止した『 組織のフラット化 』 、そして、職員の意識改革に対する「気づき」の誘発・満足度の向上を図るための『 管理職の職員投票制度による選考 』は、当委員も真剣に説明を伺った。委員からは活発な質問が相次ぎ、村役場・総務部長、議会事務局次長、議会副議長から詳細に説明を受けた。
 
 2.総合型スポーツの支援について
 第5次滝沢村総合計画の8つの基本政策の中に、文化とスポーツのまちづくりの推進として総合型地域スポーツクラブの支援を図っている。平成12年に、文部科学省よりスポーツ振興基本計画の中で、
   1.   複数の種目が用意されている。
   2.   子供から高齢者まで、初心者からトップレベルの競技者まで地域の誰もが年齢、興味、関心、技術、技能レベル等に応じて      いつでも活動できる。
   3.   活動拠点となるスポーツ施設及びクラブハウスがあり、定期的で継続的なスポーツ活動を行うことが出来る。
   4.   質の高い指導者のもと、個々のスポーツニーズに応じたスポーツ指導が行われる。
 滝沢村も平成12年度に「第3次滝沢村スポーツ振興計画」を策定し、みんなが主役のまちづくり運動を基本目標とし、『スポーツまちづくり運動で、みんなで作ろう!明日のたきざわを』をスローガンに、
   1)  スポーツ環境の整備充実
   2)  学校体育と生涯スポーツの連携、融合
   3)  競技スポーツの推進
   4)  運動、スポーツ施設の充実
   5)  健康づくり運動の推進
を、基本施策として取り組んできた。
 平成14年には、総合型地域スポーツクラブとして村の体育協会と種目別協会が主体となり「チャグチャグスポーツクラブ」が結成され、現在組織数14団体、登録者数303名となっており、各団体の種目別活動のほか、全種目合同でのレクレーション交流大会や交流運動会、トレーニングキャンプやボランティア活動などを通し、各種目間での会員相互の連帯感の向上への積極的な取り組みにつながっている。
 尚、会員の年会費は5,000円であり、家族会員は3,000円で、村からの補助金231万7,000円を受けて運営をしている。『地域は地域のみんなで創る』という強い信念のもとに「スポーツの原点は遊びであり、生涯を通してのスポーツや健康を目的とする会員や競技スポーツを目指す会員とが融合し、互いを認め合い融和することで地域社会の確立を図る。」というクラブ理念で、会員からのアンケートとして、
  一、 クラブに入会してよかった。  89 %
  二、   楽しく活動している。      87 %
  三、   家族でクラブのことを話す。 88 %
という成果が出ている、課題としては、
  一、   中学校の部活動との連携
  二、   活動場所の確保(学校施設の開放、公共施設の利活用)
  三、   指導者の確保及び資質の向上
とのことであった。
 視察は、滝沢村役場の近くの総合公園内の体育館で行われたが、広々とした総合公園で、村の体育協会の理事長・事業係長から懇切丁寧な説明を受けた。
 
** おわりに **     
 今回の行政視察において、杉並区の減税自治体構想は行政改革副参事、それに教育行政の取り組みについての教育委員会庶務課長の説明は、簡潔明瞭でやる気がひしひしと感じられ、非常に好感が持ててなおかつ圧巻であった。
また、『日本のふるさとの再生特区』の遠野市は、のどかでゆったりとしていて農林業を中心に耕地の有効活用を図ると共に高生産・高付加価値化を図る新しい産業の創造が展開されつつあった。
 滝沢村は、行政経営を企業経営に見立て、縦割り組織見直しに繋がる係長職の廃止、アメリカの企業での職場改善運動として用いられている「経営品質向上プログラム」の導入、担当職員の卒のない説明、態度は委員会一同、感謝に絶えなかった。画像
【この情報の提供元】
浜田市 議会事務局   ( 庁舎配置図議会事務局の提供情報
電話: 0855-25-9800(直通)  FAX: 0855-22-6765  Mail: gikai@city.hamada.shimane.jp