平成20年6月20日
浜田市議会議長 牛尾 昭 様
建設都市委員会行政視察報告書
下記のとおり、視察を行いましたので、その結果を報告いたします。
記
1. 期 間 平成20年5月19日~5月21日
2. 視察先 青森県青森市・青森県八戸市
3. 参加者 (建設都市委員会)
島本鎌利委員長 ・ 田村友行副委員長 ・ 新田勝己委員
吉田千昭委員 ・ 原田義則委員 ・ 濵松三男委員
向 惇雄委員 ・ 高原好人委員 ・ 木村正行委員
4. 調査の概要
【青森市】
① GPS端末を活用した除排雪作業高度化事業について
② 都市づくり(コンパクトシティ)計画及び構想について
【八戸市】
① 景観計画及び景観条例について
② 八戸港港湾環境整備事業について
【青森市】5月20日(火) 9:30~11:30
青森市は、平成18年に浪岡町と新設合併し人口は30万人となり、県内初の中核都市へと移行した。県の交通・行政・文化の中心都市で都市機能が 集積し、市街地はリンゴの生産量全国一で、三内丸山遺跡、青森ねぶた祭りは有名である。
特に、冬は積雪量が非常に多く、全域が国の豪雪地帯に指定されている。
《調査事項1》
〇 GPS端末を活用した除排雪作業高度化事業について

浜田市も合併し、中国山地の県境までが新市となった。県境付近は海辺では想像できないほどの積雪があり、冬の生活を守る前提に除排雪が必要となる。除雪に必要な機械も公共事業の減少などにより、ストックにも限界があり効率的な運用が求められている。また、除雪は迅速な対応が必要であり、先進地の青森市を視察した。
特に、GPS端末を活用した除排雪は広範囲な当市にとって示唆があるのではと思えた。
『GPS端末活用の特色』
まず、GPSとは人工衛星を活用して車両の位置情報を把握し、除排雪対策本部において、除排雪状況やパトロール車両の位置確認が可能になる。
さらに、携帯端末の配備で作業状況が把握でき、市民への対応の迅速性、精度の向上と作業時間、作業軌道の把握が可能となった。
年間、積算降雪量が10メートルを超える豪雪地帯であり、年間除排雪費用が20億円かかる。
雪の多少に関わらず、交通障害などによる日常生活の混乱など様々な問題を抱える一方で、地域住民の雪対策に対するニーズの拡大、意識の高揚等により、総合的対策が求められている。
浜田市においても、改善の余地を感じた。
《調査事項2》
〇 都市づくり(コンパクトシティ)計画及び構想について
「コンパクトシティ」について
1990年以降、EU諸国において持続可能な都市のあり方として、コンパクトシティが論議された。郊外へ拡大する都市の土地や通勤費への浪費への警告から、現在は持続可能な都市開発戦略として見直されている。
「住」も含めた様々な機能(「職」・「学」・「遊」等)を都市の中心部にコンパクトに集積することで、中心市街地活性化等、相乗効果を生もうとするもので都市の拡大により、可住地を増やし続け人口を増大させる従来の都市計画を見直すものである。
青森市の構想の背景には、豪雪地帯で街が郊外に拡大し除雪費に多額を投じることもある。

浜田市をはじめ、全国的に旧市街地が寂れるドーナツ化現象を重ね合わせて見る時、学ぶところは多々あった。
『青森市の都市づくり基本理念』
<青い森・青い海に抱かれたコンパクトシティの形成> 〇雪に強い都市
〇高齢・福祉社会に対応した都市
〇環境調和型の都市
〇災害に強い都市
〇効率的で快適な都市
<コンパクトシティ形成に向けた都市整備の主な柱>
〇無秩序な市街地拡大の抑制
〇より効率的で効果的なインフラ整備
〇既存ストックの有効活用
〇中心市街地の拠点性の向上(再活性化)
〇都市機能の集約化・複合化とアクセシビリティの向上
〇公共交通の有効活用
〇自然・農業環境との調和等
郊外開発を進めてきた従来の都市政策の反省に立ち、商業、職場、住宅、学校、病院など様々な機能を都市の中心部にコンパクトに集中させるものである。
この間、市街地拡大に伴い多大な行政投資を余儀なくされたこと、加えて日本有数の豪雪地域で除排雪に多額を投じている。
浜田市は、合併し広大な地域があり周辺が寂れないために自治区制度を設けた。住んでいる住民にいつまでも安心して暮らせることをお互いに認識せねばと思う。
青森市を視察して、行政コストと10年、20年先のまちづくりを考える時、学校、病院、高齢者対策等々、現在を守ろうとすることだけで良いのか考えさせられた。
【八戸市】5月20日(火) 14:30~16:30
八戸市は、青森県の南東部に位置し、比較的に穏やかな気候であり、冬でも積雪量が少ない太平洋に面した人口約25万人の市である。昭和39年の新産業都市指定による急速な工業集積、都市化の進展、水産業の発展を遂げてきた。
特に、イカの水揚げは日本一で、国際コンテナ定期航路の開設やウミネコの繁殖地の蕪島は有名である。
《調査事項1》
〇 景観計画及び景観条例について

<景観とは>
景観とは、山並みや川、樹木や田園といった自然的風景から、住宅街、ビル群などの人工的風景まで、視覚として写し出される全てのものが対象になる。
・ 海岸、河川、山などの自然的景観
・ 道路、建造物などの人工的景観
・ 歴史、伝統
<八戸市の景観づくりの基本方針>
・ 海から発展した都市八戸のシンボルである海を活かした、海を感じられる景観づくり
・ 北東北における中核的な都市として、賑わいに満ちた景観づくり
・ 豊かな自然を守り、なだらかな台地などによる優れた眺望を活かした景観づくり
・ 住宅地や集落地における潤いのある身近な景観づくり
<景観計画及び景観条例の策定>
平成16年度に公布・施行された景観に関する総合的な法律「景観法」に基づいて策定されたものである。
<景観形成の実現方策>
景観形成とは、都市における豊かさや快適性を享受する空間や環境を想像し、維持・向上させていく役割がある。八戸市は、これまで産業や都市の活力を中心に発展してきたことから、今後は潤いや安らぎ、人や街の賑わい、車中心から歩行者中心に、身近な景観として花づくり等を進めることが必要である。
『浜田市や私たちが学ぶ点』
新市まちづくり計画の「青い海・緑の大地 人が輝き文化のかおるまち」を新市の理念にしている。八戸市の街づくりと相違があるわけではない。 条例制定して、今後は潤いや安らぎの必要を決め合い、市民、事業者、行政が協働・連携して取り組むことである。花いっぱい運動、一斉清掃等、浜田市も現在取り組んでいる。
《調査事項2》
〇 八戸港港湾環境整備事業について
<八戸港の沿革>
漁港、避難港から、新産業都市に指定され、臨海部に企業が相次いで立地し、工業港として整備された。北海道とのカーフェリーが就航し、国際コンテナ定期航路が開設され、平成19年の貨物取扱量は、約3万4,000TEUとなっている。
<今後の取り組み>
北東北の国際物流拠点港として、多様化する荷主のニーズに対応し、経済の活性化を図るために港湾施設の重点的整備を進めるほか、市民が憩える親水空間の整備を図るとされている。
<市民ニーズに対応した親水空間の整備(環境整備事業)>
これまで、産業基盤を優先した整備が進められてきたため、親水空間の整備が遅れ市民を港から遠ざけていた。市民の海に対する関心も高まり、今後の港づくりにおいて市民の意見を反映してほしいという要望が出ている。市民と連携した親水空間の整備に取り組むものである。
<整備状況の一例>
①親水緑地(海釣り公園) 1.6ヘクタール 供用済
②避難緑地(工事中) 3.2ヘクタール
③休憩緑地(北沼港湾運動公園)5.6ヘクタール 供用済
等、合計35.2ヘクタール
浜田市も人にやさしいまちづくりを標榜しているが、25万市民の八戸市は、産業基盤優先から、市民にやさしいまちづくりが具体的に取り組まれている。
費用対効果の言葉が頭を過るなど、大きなツケを払っているかもしれないと思えた。
報告者 新田勝己
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