浜田保健所所管の「浜田圏域自殺予防連絡会委員」である、はまだ市民総合法律事務所 田上尚志弁護士より、自殺予防に関し日頃の業務の中での雑感をコラムとして寄せていただきました。今回は自殺の危機要因の1つ、「交通事故の賠償」についてです。(先生からのコラムは今後も不定期で掲載をしていきます。)
平成22年1年間で,浜田警察署管内では148件の交通事故が発生し,2人が亡くなられ,182人が負傷されました。
交通事故に遭われた人から,任意保険の保険会社からの賠償額の提示が低すぎるという相談を受けることが少なくありません。中には,御自身の症状に比べて保険会社の提示する賠償額があまりに低いので,保険会社と交渉しているうちに,むしろ自分が交通事故を口実に不当な要求をしているのではないかと思い悩み,身体の後遺症だけでも非常に辛いのに,自分を責めることで精神的にも大きな苦しみを抱えるに至った人もおられました。
なぜ,このようなことが起きるのでしょうか。そもそも,損害保険会社は株式会社として設立されており,営利企業であることに変わりはありません。このため,同じ交通事故でも,損害保険会社が自発的に認める損害賠償額と裁判所が裁判で認める損害賠償額に相当の開きが生じることも少なくありません。
我が国の損害保険会社はいわゆる一流企業と言われるところがほとんどであり,非常に高い社会的信用を有していると思います。ですから,損害保険会社が間違ったことを言うはずがないと考えている人もおられるでしょう。
保険会社と示談する前に弁護士などに相談してみてもよいと思います。