更新:2009年06月17日
阪神・淡路大震災(1995年1月17日)の被害状況把握や救助活動において、関係機関が所有する地理空間情報を相互利用できなかった教訓を受け、政府は「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」を設置するとともに、GISに関する調査研究を推進してきました。2001年からは、総務省が中心となり、日本が世界最先端のIT国家となることを目的に「e-Japan戦略」が進められ、「誰でも」、「いつでも」、「なんでも」あらゆる人やモノが結びつくことのできる世界一のネットワーク社会(ユビキタスネット社会)の実現を目指す「u-Japan戦略」に引き継がれています。
ユビキタスネット社会では、ICT(情報通信技術)の高度利活用において電子自治体の推進が進められ、統合型GISは行政サービス向上の重要なインフラに位置づけられています。このように政府の重要施策とGISは密接に関係しており、関係各省庁では「地理空間情報の活用推進に関する行動計画(G空間行動プラン)」として、GISに関わる様々な計画の策定や実証実験、調査研究を進めています。
ここでは、統合型GISをとりまく国の動向について整理しました。

【GISをとりまく政府の動向】
総務省では、統合型GISを推進するため、1996年度から下記のとおり実証実験並びに統合型GISの指針等の策定を行ってきました。
国土交通省では、ICT(情報通信技術)を国民生活や経済社会活動に密着する国土交通分野において最大限に利活用することにより、国民生活の質の向上、経済成長の実現を目指し、「国土交通分野イノベーション推進大綱」(2007年5月25日)がとりまとまられました。
国土交通分野でのイノベーションの推進のために、以下の共通的な基盤(インフラ)の構築が必要とされています。
・地理空間情報インフラ
・ヒト・モノ・クルマや「場所」と「情報」を結びつける社会インフラ
・国土交通省が保有しているネットワークインフラ
阪神・淡路大震災での教訓を受け、政府は1995年に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議を設置し、GISの利用を支えるt李情報の整備と相互利用の環境づくり等に取り組みました。1996年度から3ヵ年を基盤形成期、1999年度から3ヵ年を普及期と位置づけ、2002年に「GISアクションプログラム2002-2005」を決定しました。
本プログラムでは、「GISにより豊かな国民生活を実現するための行動計画」として、「e-Japan重点計画」と連動して、地理情報の電子化並びに流通促進を進めるとともに、地方公共団体における統合型GISの普及促進を図るため2002年に「統合型の地理情報システムに関する運用指針」を策定しました。
2005年に「地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議」を引き継ぎ、関係省庁相互のより強力で緊密な連携・協力を確保し、総合的かつ効果的な推進を図るため「測位・地理情報システム等推進会議」が設置されました。2006年度から概ね5ヵ年の政府のGISに関する計画として「GISアクションプログラム2010」(2007年3月22日)が決定されました。
GISアクションプログラム2010では、地理空間情報が高度に活用される社会(行政の効率化・高度化、国民生活の利便性の向上、産業・サービスの発展・創出、国土の利用・整備及び保全)の実現を図ることが目標とされています。
地理情報活用推進基本法(公布2007年5月30日 法律第63号、施行2007年8月29日)は、国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で、地理空間情報を高度に活用することが極めて重要であると定義しています。当該法では、地理空間情報の活用の推進に関する施策について、基本となる時効を定め、総合的かつ計画的に推進することが目的となっています。
2007年に施行された「地理空間情報活用推進基本法」を受け、「u-Japan政策」と連動し、ユビキタスネットワーク社会の進展に適用した地理空間情報高度活用社会の実現を目標として、2008年4月「測位・地理情報システム等推進会議」において、「地理空間情報活用推進基本計画」が策定されました。
本計画では、2011年度までの4ヵ年において、地理情報システムと衛星測位の活用を通じ、地理空間情報の活用並びに高度な分析に基づく的確な情報入手ができる社会を実現するために、下記4点の重点施策に取り組むこととなっています。
-重点施策-
-具体的な活用イメージ-
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自治体名
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運用開始年度
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概要
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姫路市
(兵庫県)
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2006年(H.18)
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既存システムのリプレースに際して、WebGISを導入し、庁内共通GISを構築。
空間データは既存の『基本地形図』※1を利用。
各部署の個別GISも『基本地形図』を利用。
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たつの市
(兵庫県)
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2008年(H.20)
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合併補助金を使って、WebGISを導入するとともに『空間基盤データ』※2を整備。
既存空間データも利用して庁内共通GISを構築。
各部署の個別GISも『空間基盤データ』を利用。
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茨木市
(大阪府)
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2007年(H.19)
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庁内共通WebGISを導入するとともに、汎用的な業務で利用するためのデスクトップGISも構築。
空間データは既存の『DMレベル500』※3を利用。
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京都府
(京都府自治体情報化推進協議会)
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2007年(H.19)
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府・市町村の共同でWebGISを導入するとともに『共用空間データ』※4を整備。
職員用GIS、公開用GIS、ケータイGISを運用。
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宇治市
(京都府)
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2007年(H.19)
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H19に職員用をリプレイス。個人情報保護のため協議会の職員用GISを宇治市庁内サーバへ逆移植する。公開用GISは協議会のシステムを利用中。
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城陽市
(京都府)
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2007年(H.19)
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H1年から構築・運用される庁内システムをH19年度にリプレイス。協議会の職員用GISと一部平行利用中。公開用GISは協議会のシステムを利用予定。
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坂井市
(福井県)
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2008年(H.20)
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合併補助金を使って、WebGISを導入するとともに『共用空間データ』※5を整備。
既存空間データも利用して庁内共通GISを構築。
各部署の個別GISも『共用空間データ』を利用。
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浜田市全ての部署を対象とし、以下の3項目位についてアンケート調査を実施し、現況をとりまとめました。
アンケートの内容及び結果は、以下のとおりです。







| 回答が回収できた578名のうち、「ほぼ毎日」と回答した職員は166名で全体の28%を占めている。「ほとんど利用しない」と回答した127名(22%)を除き、全体の約78%を占める451名の職員の業務に対して、地図情報が関連することが分かった。 場所別に見ると、「金城支所」、「旭支所」に関しては、90%以上の職員が、業務上地図情報を利用している状況にある。 |


| 利用されている地図情報の媒体を、「電子地図」と「紙地図」に分類して利用状況を見ると、「双方をよく利用している(22%)」を除き、「紙地図」が60%以上を占めている。「電子地図」の利用については、特定の部署で利用されている個別業務支援GIS、もしくは住宅地図ソフトであるが、今後これらの「電子地図」が普及するニーズが潜在していることが分かった。 |


| 地図情報を利用する目的は、当該場所を探すことが最も多く「位置の参照(34%)」、「窓口・電話対応(19%)」と全体の半数以上を占めている。さらに、「窓口・電話対応(19%)」、「関係機関への報告(13%)」、「協議(9%)」のコミュニケーションの場で40%を超える利用場面があり、地図情報はコミュニケーションに必要不可欠な情報であることが分かった。 |


| 業務で利用している地図は、圧倒的にゼンリン住宅地図が多く39%を占めており、利用地図は、1-3の利用目的と関連があると考えられる。 |


| 地図情報を利用する場合の縮尺は、「不定(31%)」、「1/1500~1/5000(38%)」と広範囲からピンポイントまで業務に応じた縮尺の地図情報を選択し利用している。「電子地図」は、地図情報の表示縮尺を任意に設定できるため、今後「電子地図」が普及するニーズが潜在していることが分かった。 |


| 「GISを知っている(34%)」、「地図を扱うシステムが存在することは知っている(36%)」を合わせると約70%であり、GISの認知度が非常に高いことが分かった。 |


| 現状の地図・図面の利用において、一番の課題は、「地図が古く現状と不一致である」こと。次いで、「原図が古く傷んでいる」、「検索に時間がかかる」があげられている。 |

| GIS導入における活用期待として、位置の検索・参照が多く挙げられ、地図へのメモ書き込みなど付箋利用もあげられている。 |

| GISを利用して実現したいこととして、必要な場所を検索して、地図や帳票を表示又は印刷することが上位にあげられている。導入時には、現状の事務手続に利便性が加わることが期待されていると言える。また、データの入力・更新・集計解析といった事務処理の高度化に向けての期待も大きいことが分かる。 |

| GISが導入されることにより、正確な情報が迅速、簡単に入手できることを期待していることが分かる。同時に住民サービス向上にも期待をされていることが分かる。 |

| 活用したい情報としては、区域割図に関わる情報が上位にあげられている。これは、同様な地図を重複して作成している現状が予想できる。また、地番図や住民基本台帳の情報は詳細で正確な情報を必要としていることが分かる。 |