総務省の統合型GIS全体指針にもあるとおり、統合型GISは、単に行政事務の効率化のみを目的とするのではなく、多様な住民ニーズに対応した質の高い行政サービスの実現や新たな地図利用業務への展開、さらに行政評価における活用なども含め、地方公共団体全体にわたる業務の改革を目指すものです。
したがって、統合型GISの導入効果については、現行業務との比較をはじめ総合的な検討を行う必要があります。
7.1 住民サービスの向上
統合型GISを整備することで、図面や調書の検索時間が短縮され、来庁者や電話での問い合わせ時の待ち時間を短くすることが出来ます。また、庁内各部署の持つ情報を横断的に活用することができ、「迅速」、「正確」な対応ができます。
以下に、住民サービスの向上が期待できる主な業務について整理しました。
- 用途地域などの都市計画情報をWeb上でも公開することにより、自宅や職場でもサービスを利用できるようになります。
- 官民境界の情報をGISで管理することで、窓口での住民からの問い合わせに対して迅速な対応が可能となります。
- 水道、下水道、ガスなどの占用情報を地図と連携させて、統合型GISで共通管理することで、工事申請や警察協議などの処理フローを省力化でき、迅速な対応が可能となります。
- 土地情報などを統合型GISにより共通管理することで、下水道受益者負担金管理業務を効率化し、迅速な対応が可能となります。
このように、すべて住民サービスに直結しており、サービスの質とスピードを飛躍的に向上させることが期待できます。
7.2 協働のまちづくりの推進
総合振興計画においては「市民と行政の協働によるまちづくり」を施策推進の基本方針としており、地域でできることは地域で行い、行政は住民と対話・施策への住民意向の反映を行うこととしています。
協働によるまちづくり推進のためには、住民、NPO、企業、学校と行政が密にコミュニケーションをとり、積極的な情報開示、施策・事業になどについて、明快な説明を行うことが要求されます。
統合型GISを活用することで、以下の効果が期待されます。
- 庁内の情報を集約・整理し、分かりやすいかたちで表現し、的確に伝えることができます。
- 道路建設、再開発、区画整理などの住民に対する説明場面においては、GISが得意とする視覚的表現効果を活かして、出席者に対して分かりやすいかたちで情報提供でき、事業を円滑に進めることができます。
- 市では、インターネット上にホームページを公開して、生活ガイドや施策情報など各種の最新情報を住民に向けて積極的に公開しています。ここに市民向けGISを連携させ、より積極的で分かりやすい情報提供ができます。
- 自治会や学校に関する情報を統合型GISで共通管理することで、市民向けGISを活用した、住民参加型の地域フォーラムを構築することができます。
- 行政が一方的に情報提供するだけでなく、インターネットの双方向通信の特性を利用して、市民からの市政に対する意見を的確に吸収することができます。
- 不法投棄場所に関する情報について、市民と職員がリアルタイムに共有することで、市民の行政参加に機会が得られるとともに、環境保全に対して迅速に対応することができます。
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総合振興計画の主要施策
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統合型GISの活用事例
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- 健康でいきいきと暮らせるまちづくり
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- 共用空間データのアドレスマッチング機能を用いて高齢者居住分布と医療福祉施設配置図を作成
- 住民向け地図情報提供システムによって、児童公園の位置や施設情報を提供し、高齢者医療計画や子育て支援に役立てる
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- 豊かな心をはぐくむ教育と文化を身近に感じるまちづくり
- 自然環境を活かした潤いのあるまちづくり
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- 学校教育やNPOなどと連携し、住民向け情報発信で、環境情報や文化に関しての地域資源を登録し、庁内外へ発信
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- 地域振興を活かした産業を創造するまちづくり
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- 共用空間データで、商店の集積状況や地場産業の分布状況を把握
- 住民向け情報発信で、庁内外に観光情報や伝統・地場産業を発信し、観光や商工業振興を支援
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- 快適で安心して暮らせる、にぎわいのあるまちづくり
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- 共用空間データを用いて、公共施設圏域図の作成や圏域内人口の集計、各種計画案作成など、まちづくり計画のための現状把握やシミュレーションを支援
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- 市民とともに創り育てるまちづくり
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- 住民向け情報発信で、各種計画案を住民に公開
- 住民おまちづくり参加を支援
- NPOやボランティア団体、学校などと連携し、協働のまちづくりに寄与する
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以上、統合型GISの導入によって期待される効果については、基盤図(共用空間データ)を基本として、地理空間情報を庁内外に流通させることで、統合型GISが市の施策に適合した行政サービスを的確かつ効率的に支援できることが明らかになりました。