9 今後の課題

更新:2009年06月17日

 本章では、今後の課題として統合型GISで運用される情報に関して、法令や条例などに基づく個人情報保護の取り扱い方法に関する留意点、外部機関との連携及び地図データの著作権等の知的財産について整理しました。

9.1  個人情報保護について

 庁内で利用されている情報システムと同様、基盤図(共用空間データ)など統合型GISで運用される情報に関しても、個人情報の保護に配慮が必要です。個人情報保護条例などにもとづき、基盤図(共用空間データ)、業務用の主題データに関する流通や開示について検討を行う必要があります。
 特に個別業務では個人を特定できない情報でも、統合型GIS上で他の情報と重ね合わせることにより個人を識別できる情報となることを想定した検証が必要となります。

9.1.1  浜田市における関連条例及び規則など

 統合型GISで運用される地図情報並びに属性情報の取り扱いについては、以下の関連条例及び規則などに準じるものとします。
 個人情報を含む地図情報または属性情報を庁外に公開・提供する場合は、その公開・提供内容について個人情報保護審議会の判断に従うものとします。

【関連条例及び規則】

  • 浜田市個人情報保護条例
  • 浜田市個人情報保護条例施行規則
  • 浜田市情報セキュリティポリシー

9.1.2  GISにおける個人情報保護の考え方

 GISにおける個人情報保護に関する考え方としては、1997年3月30日に国土交通省(旧国土庁)が発表した「国土空間データ基盤標準及び整備計画」において、GIS上での個人情報の取り扱いに関わる考え方が示されています。
 さらに、1999年に総務省が発表した「統合型の地理情報システムに関する全体指針」では、留意点について明記されています。
 統合型GISの運用においては、これらの考え方に留意し、個人情報の保護に努める必要があります。(以下、抜粋)

「GISにおける個人情報取り扱いに関する基本的考え方」

GISによりデータを利用していく上でも、個人情報保護の徹底が前提条件である。このため、個人情報保護のための基本的なルールに従うほか、特に、国土空間データ基盤に関連して、個人情報保護に注意が必要な点を例示すると以下のとおりである。

  • 空間データ基盤の中で、例えば土地の区画、建物の形状等を詳細に表示する際、必要に応じて、表示する解像度を若干曖昧な程度に留めたり、位置を表す場合に詳細な表示を控える等、GIS技術の面から、個人情報保護を十分に図りつつ、データの共有を図る工夫が必要な場合もある。
  • 基本空間データ(台帳・統計データ)の利用する上では、個々のデータは個人情報に当たらなくとも、たまたま異なる主体が提供した複数のデータを重ね合わせた結果、プライバシーを侵害する可能性がある。データを公開する際には、他のデータと関連づけて多角的に利用される可能性にも留意する。
  • デジタル画像のうち分解能の極めて高い衛星画像、空中写真や、個人住宅などを含む地上写真等の利用に当たっては、的確な注意を要する。
  • 空間データ基盤の位置参照情報としての住所は、全国の街区や住所を、間接的な位置参照情報として利用し、これに対応する点や区域の座標値を整備するものである。このような住所情報は、世帯の住所や建物の所在地を示す目的ではなく、客観的位置を示すためのものであるが、居住者氏名等他のデータと関連づけて用いられる可能性があり、特に個人情報保護の徹底が必要である。

(出典)『国土空間データ基盤標準及び整備計画』より引用
1997(H.11)年3月30日 国土庁(現:国土交通省)

「共用空間データ利活用における個人情報保護の考え方」

統合型GISにおける共用空間データの利活用に関しては必ず個人情報の保護に配慮しなければならないが、庁内においては、行政の効果を高めるために地方公務員法第34条のもとで積極的に活用することが求められる。ただし庁外へ提供するに際しては、個人情報保護のための審査会等による判断に従うことが必要である。

(出典)『統合型の地理情報システムに関する全体指針』より引用
1999年(H.13)総務省

9.1.3  統合型GISにおける個人情報保護の留意点

 以上のことを踏まえ、統合型GISの運用における個人情報保護の留意点は以下のとおりです。

 ⑴ 統合型GISで扱うデータ

 統合型GISで扱う次のデータは、個人情報に直接結びつく可能性があります。庁内における情報の流通並びに情報公開に関する維持管理の方針を策定した上で取り扱うものとします。

  1. 住所データ 
      住所(住居表示番号、地番)は、特定の一個人に結びつく情報であるため、住所を含む地理情報の取り扱いには、注意が必要です。
  2. 建物形状データ
     基盤図(共用空間データ)の建物形状は、税務課で整備される建物データが利用されます。課税にのみ必要となる棟割線などの情報は、個別業務データとして庁内流通しないよう注意が必要です。
  3. 航空写真画像データ
     航空写真画像データは、背景地形を詳細に把握できる情報として有効に活用できます。一般的には、地上解像度が40cmを超える高精細な航空写真画像データは、個人の敷地内の「私物」を明確に判別できる場合があるとされています。庁内利用時においても、必要以上の高解像度を維持した情報は流通させないことを基本とします。また、庁外向けの情報発信時には、必要以上に解像度を落としたデータが利用者に与える不快感についても考慮する必要があります。情報公開用の航空写真画像データについては、地上解像度の設定について十分な配慮が必要です。
  4. 背景地形図以外のデータ
     基盤図(共用空間データ)の地形、家屋形状と他の主題データを重ね合わせることによって個人情報に結びつく恐れのあると思われる情報は(例えば独居老人などの要介護者情報)は、主題データとして整備・利用を図る前に、個別にその都度判断していくことが必要です。
 ⑵ 個人情報を含むデータの取り扱いについて

 統合型GISにおいては、個人情報該当性判断基準(案)(「平成12年度地理情報システム(GIS)関連法制度に関する調査」(国土交通省)より引用)を適用して、個人情報を含むデータの取り扱いを確定します。

個人情報判断基準

 筆界データを上記判断基準で判断すると、単体では個人情報ではありませんが、特定の個人に結びつく情報を含んでいるために、条件付利用となります。しかし、基盤図(共用空間データ)の家屋を特定の個人に結びつく情報を含んでいると判断するか否かなど様々なケースが考えられるため、持っているため基盤図(共用空間データ)と主題データに関しては、定義と責任の所在を明確にするとともに、取り扱いに関して維持管理指針、運用手順書を作成します。
 条件付利用可能データの場合には、ユーザ認証で当該データへのアクセスの可否を制限します。

9.2  外部機関との連携について

 「政府の地理情報の提供に関するガイドライン」(平成15年4月17日地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議申し合わせ)において、地方公共団体が保有する地理情報は、「公用物」として行政内部で利用されるのみならず、道路や公園のように地域の住民や企業等が直接活用し便益を受けることのできる「公共用物」としての正確も持っている国民共有の貴重な資産であるため、積極的に広く提供することが方針として示されています。

 外部へのデータ提供種別を整理すると、主なものとしては、以下のA、B、Cの3種類が考えられます。

  1. 提供先が内部のみで利用するパターンです。他の地方公共団体、国、民間等の組織内部だけで利用します。
  2. 提供先がさらにデータを利用して外部提供するパターンです。データ利用後の外部提供の際の対価設定は、有料・無料のいずれもあり得ます。
  3. インターネット等を使って広く一般市民に地図等を提供していくパターンです。提供先でどのような利用がなされるか完全には把握できませんが、データ利用等がなされていくことが想定されます。

2次利用

 市が整備する基盤図(共用空間データ)と主題データについても、上記ガイドラインに沿って外部への提供を前向きに検討します。しかし、個人情報の保護、著作権の所在の明確化、提供制限(利用制限)等について、あらかじめ検討して市としてのガイドラインを策定していきます。

 


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【この情報の提供元】
浜田市 広報情報課   ( 庁舎配置図広報情報課の提供情報
電話: 0855-25-9150(直通)  FAX: 0855-23-0210  Mail: jouhou@city.hamada.shimane.jp
関連項目
地域情報化の推進
情報通信基盤の整備
電子自治体の推進
電子申請サービス
浜田市統合型GIS基本計画
目次
1 はじめに
2 統合型GISの動向
3 浜田市統合型GIS基本方針
4 統合型GISのデータ整備
5 統合型GISのシステム整備
6 統合型GISの運用
7 統合型GISの導入効果
8 整備計画
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