中高年になると、誰しも体の衰えを感じてきます。特に筋力は、何も運動をしないでいると1年に1%も落ちていき、以前にはできていたことが次第にできなくなってしまったり、「階段の上り下りがつらい、疲れやすい、転びやすい」などの支障が出てきます。こうしたトラブルを解消し、寝たきりにならずに活動的で快適な生活を送るためには、筋力の低下を防ぎ、筋力アップを図ることが大切です。
筋力づくり、筋力トレーニング(筋トレ)と聞くと「もう年だから・・・」とあきらめてしまう人がいるかもしれませんが、様々な調査から、年をとってからでも適切な筋トレによって、筋肉量を増やすことができることがわかっています。また、筋トレというと、特別な器械を使うイメージがあるかもしれませんが、自宅で簡単に行うこともできます。自宅で行えば、出かける必要もなくお金もかかりません。また、運動量もそれほどきつくないので、普段の生活の中に組み込んでしまえば効率よく運動できます。
自宅でできる筋力トレーニング
トレーニングの効果は、1か月ほどで感じ始めます。まずは、筋トレを1か月間続けてみましょう。
- 上体起こし・・・[大腿筋(だいたいきん)と腹筋を鍛える]
床にあおむけに寝て、足を肩幅に開いて膝を立て、太ももに両手を置く。3つ数えながら上半身を起こし、止めて1つ数え、また3つ数えながら戻す。(10回)
※始めのうちは、背中に枕や座布団などを敷いても構いません。
※上半身を起こせなくても、腹筋を使おうと意識するだけで効果があります。
- 寝たままおしり上げ・・・[おしりの筋肉を鍛える]
床に仰向けに寝て、足を肩幅に開いて膝を立てる。腕で体を支え、3つ数えながらおしりを浮かせ、止めて1つ数え、また3つ数えながら戻す。(10回)
※最初は少し上げるだけでも、十分効果があります。
- 寝たまま脚上げ・・・[大腰筋と股関節と太ももの前側の筋肉を鍛える]
床に仰向けに寝て、片方の脚の膝を立てる。反対側の脚を3つ数えながら膝を曲げないように上げ、止めて1つ数え、3つ数えながら反動をつけずにゆっくりと下ろす。(左右各10回)
※脚を上げて止めたとき、つま先を体の方へ引き寄せるようにする。
- 脚クロス筋トレ・・・[太ももの前側と後ろ側の筋肉を鍛える]
イスに深く座って両脚を前に伸ばし、足首の辺りで交差(クロス)させる。下の脚は上へ上げ、上の脚は下へ下ろすようにする。3つ数えながら徐々に力をいれ、力を入れたまま1つ数え、3つ数えながら力を抜く。(脚を上下組み替えて10回)
※手でイスのへりをしっかりつかんで体を支える。イスに浅く座ると腕に負担がかかるため、深くしっかりと座る。
- イスを使ってつま先立ち・・・[ふくらはぎの筋肉を鍛える]
足を肩幅より少し広めに開いて立つ。イスの背を支えにして、3つ数えながらかかとを上げ、止めて1つ数え、3つ数えながらかかとを下ろす。(10回)
※足の親指側に体重を乗せるイメージで、真上に伸びる。
筋トレアドバイス
○1日1セット、1週間に2~3日から行い、慣れたら日数を増やしていきましょう。
○体力がついたら、セット数も増やしてみましょう。
○血圧の上昇を防ぐため、息を止めずに、数を数えながら行いましょう。
○運動の前後にストレッチングをすると、けがの予防になり、疲れも残りにくくなります。
〈注意〉
- 腰や膝などの関節に痛みがある人や、運動を止められている人は医師に相談しましょう。
- 運動をして痛みを感じた場合は、すぐに中止しましょう。
- イスは、背もたれのついた安定したものを使いましょう。
一人で行うより、一緒にトレーニングできる仲間をつくるのも運動を長続きさせるコツです。家族や仲間同士で楽しく無理なく運動を続けましょう。