登場人物
 |
|
 |
| 父》ハマオ 市内勤務 |
子》ハマミ 小学5年生 |
父 「ハマミ、この写真は何をしているところかわかるかい?」
子 「なにかの会議かなあ。でも机とかバラバラで変なの。」
父 「ふつうの会議と違って、みんなの意見が出やすいようにグループ形式にしてあるんだ。少ない人数のほうがたくさん意見が言えるからね。」
子 「ふうん、学校で給食食べるときみたい。で、何を話してるの?」
父 「浜田市の『産業振興ビジョン』をどうするかについて話してるんだ。」
子 「さんぎょーしんこーびじょん? それって何?」
父 「ビジョンとは将来の見通しという意味なんだけど、浜田市の産業がどうやったら元気になるか、今後の計画を作っているところなんだよ。ハマミはこの前、浜田市にまわるお金がぐんと少なくなっちゃう話をしたのを覚えてる?(
※1)」
子 「えへへ、なんとなく……」
父 「地域にまわるお金が減っちゃったら、今までどおりの仕事ができなくなって、たくさんの人が困るよね。それで、減った分のお金をどこからか持ってくることを考える必要があるんだ。」
子 「持ってくるって、トラックとかで運んでくるの?」
父 「ごめんごめん、言い方が悪かったね。もちろんお札をそのまま運ぶわけじゃないよ。こっちで作ったものを、よその人に買ってもらうってことなんだよ。」
子 「え? なんでそれがお金を持ってくることになるの?」
父 「たとえばハマミがタコ焼きを作って、東京の友だちに買ってもらうとするよ。お金はどっちからどっちに移動してると思う?」
子 「あ、わかった! 向こうがお金を払って、私がお金をもらうんだから、お金は向こうからこっちに移動するんだ!」
父 「大正解! 地域のお金まわりをよくして行こうと思ったら、こんなふうにできるだけ地域の外の人に、地域で作ったものを買ってもらうようにすればいいんだよ。」
子 「じゃあ、どんどん外に売りに行けばいいね!」
父 「実際に売りに出る以外にも、インターネットや通信販売などいろんな方法もあるね。それから、観光とかで訪れた人に、お店でごはんを食べてもらったり、おみやげを買ってもらったりするのも同じ効果があるんだよ。」
子 「あ、ホントだ。」
父 「これからはいかに地域全体で『商売』の感覚を持つかが大事になってくるんだ。たとえば隠岐の海士町は、町そのものをデパートに見立てて、島で取れた魚や塩とかを全国に売り出しているんだよ。」
子 「浜田市だったら何を売っていくの?」
父 「そうだね、海や山から取れる食べ物もふんだんにあるし、食品加工の会社もあるし、機械や自動車の部品を作っている会社など、売れる素材はたくさんあると思うよ。」
子 「じゃあOKだね♪」
父 「ただそう簡単でもないんだよ。たとえば、都会のお客さんは、全国いろんな地域からの品物を選べるから、自然に目が肥えてくるよね。そういうお客さんに買ってもらうには、本当に『ほしい!』って思ってもらえるような商品をどう作るかがカギになるんだ。」
子 「そっかー、私もよっぽどおいしいタコ焼きを作らないと買ってもらえないんだ。」
父 「ははは、そうだね。写真の会議では、地域で商売をする人が魅力的な商品を作るのに、どんな環境を作ればいいのかとか、どんな手伝いができるのかなどを、計画にしているところなんだ。」
子 「それが『びじょん』ってこと?」
父 「ハマミ、ご名答!」
※1 地域経済構造分析(平成18年3月に島根県が実施)では、公共事業の減少や人口減少によって、2015年には浜田市と江津市を合わせた「浜田圏域」から、2003年比で267億円(約1万人分の所得に相当)のお金が減少すると試算されました。