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シリーズ「島根あさひ社会復帰促進センター」その4 構造改革特区制度と島根あさひ社会復帰促進センター

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 今回は、「島根あさひ社会復帰促進センター」の整備・運営に当たり活用される「構造改革特区制度(特区制度)」についてです。

1 「構造改革特区制度」とは

 みなさんの周りには、国が定めた規制、すなわち「きまり」や「制限」があると思います。これらの規制は、国民の安全・安心などを確保するために必要なものとして国が定めているものですが、時の経過とともに必要性が少なくなったり、実態に合わなくなったり、別の措置で対応できるようになったりすることがあります。
そこで、今ある規制について民間事業者や地方自治体から意見を求め、特定の地域だけ実験的に規制をなくしたり、規制を緩やかにしてみようとする試みが「構造改革特区制度(特区制度)」です。通常は従わなくてはいけない規制に対して特別に設けられた例外的な措置を「特例」といい、この特例が認められる地域を「特区」と呼んでいます。
 特区で民間事業者が新しい事業を始めたり、地方自治体が新しい取組を始めることにより、その地域の経済が活性化されることが期待されています。また、特区で実験的に行ってみて、全国で行っても問題ない、つまりその規制がなくても国民の安全・安心などに支障がないということが分かれば、全国的に規制を無くして日本全体の経済の活性化を図ることにもなっています。浜田市に整備される新しい刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」は、この特区制度の下で設けられた新しい特例を活用することにより、国と民間事業者の協働による施設運営を行い、また、地域に開かれた刑務所を実現しようとしています。

2 刑務所に関する特例

(1)刑務所の業務の民間委託に係る特例

 刑務所に関して新しく設けられた特例は2つあります。1つは、刑務所の業務の一部を民間事業者に委託する(依頼して代わりにしてもらう)ことができるようにする特例です。
 これまで、刑の執行を行う刑務所の業務は、一部を除き、基本的には国家公務員である刑務官が行うことが前提とされてきました。確かに、受刑者に対して義務を課したり、権利を制限したり、実力行使を行ったりすること、刑務所長または刑務官以外の人はできないと考えられます。しかし、刑務所長などによる決定前の検査などを手伝うこと、また、刑務所長などの決定に従って事務を処理することなどは、一定の条件の下であれば民間事業者が行うこともできると考えられ、これらの業務の民間委託を可能とし、民間事業者によって業務が適切に行われるよう、必要な条件などを定めた特例が法令に明記されました。これにより、民間が参入できる刑務所の業務の範囲が拡大され、民間のノウハウの活用による業務の効率化等が図られることが期待されています。
 ただし、この特例は、何度も繰り返し犯罪を犯す人や暴力団員である人が収容されていない施設で、かつ、警察、消防、保健所などの関係機関などの協力が十分得られる地域のみに限定して認めることとされ、地域の安全に影響がないように配慮されています。

(2)刑務所の診療所の管理委託に係る特例

 もうひとつの特例は、刑務所内の受刑者に対する診療を行うための診療所に関する特例です。本来、病院や診療所は設置した人が管理・運営を行わなければなりませんが、国が刑務所内に設けた診療所は、特殊な環境であることなどから敬遠され、医師の確保が非常に難しい状況にあります。
 そこで、刑務所内の診療所の管理を地方自治体など一定の人に委託し、その地方自治体の県立病院などに刑務所内の診療所の運営を任せることで、医師確保に係る問題を解決できるようにするものです。
 そして、刑務所内の診療所の管理を行う人が、その診療所の設備を用いて地域住民のための診療を行うことも可能となりました。これにより、近郊に専門医がおらず遠方の病院などで受診しなければならなかった診療科目について、刑務所の敷地内で受診することができるようになり、地域医療の充実につながることが期待されています。

3 地域の活性化に向けて

イラスト こうした特区制度の特例は、地方自治体が作成する「特区計画」が内閣総理大臣に認定されれば、その特区計画上の地域、すなわち「特区」において活用することができるようになります。
 「島根あさひ社会復帰促進センター」の整備・運営においては、特例を活用した業務の大幅な民間委託により地域の雇用機会が増大すること、一部の診療科目の開放により、住民の人々の刑務所の敷地内での受診が可能になることなどが見込まれています。
 このように、特区制度の下、特区計画を作成する地方自治体、刑務所を設置する国、そして刑務所を国と共に運営する民間事業者が協力し、地域と共にある刑務所を実現させることによって、地域の活性化が図られるものと期待されているところです。

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