このページの本文へ移動

市長所信表明(平成29年12月)

  • 印刷する

 久保田章市市長は、平成29年12月市議会定例会の開会に当たり、諸議案の説明に先立ち、今後4年間の市政運営について、所信表明を行いました。
 
所信表明1  

所信表明2

はじめに

 平成29年12月浜田市議会定例会の開会に当たり、諸議案の説明に先立ち、市長2期目の任期4年間の市政運営に関する私の所信を申し述べ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 去る10月の市長選挙におきましては、多くの市民の皆様をはじめ、各方面の関係の皆様から力強いご支持を賜り、再度、浜田市長として市政運営に当たらせていただくことになりました。
 私に寄せられました温かいご支援に心から感謝申し上げるとともに、生まれ育ったふるさと浜田を元気にするために、前任期中から取り組んでまいりました施策の仕上げと、市民の皆様のより良い生活のために新たに取り組まねばならない施策を推進し、浜田市の更なる発展と市民福祉の向上に尽力してまいる所存であります。

1期目を振り返り

 1 わが国の動向について

 最初に任期1期目の4年間を振り返らせていただきます。
 わが国においては安倍内閣のもと、「アベノミクス」効果により都市部を中心に景気が回復し、日経平均株価も2万円を突破、国全体としてみれば安定した経済状況となっております。
 しかしながら、本市を始め多くの地方においては景気の回復感に乏しく、相変わらず厳しい経済状況にあります。
 一方、国をあげて「人口減少」が大きなテーマでありました。わが国の人口は2008年をピークに減少に転じ、東京一極集中による弊害も問題視されるなか、わが国の最大の課題を人口減少と位置付け、人口減少対策を柱とする地方創生の取組が始まりました。
 国においては、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定され、これを受け全国の自治体においても地方版「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、現在、国と地方が一体となって人口減少対策に取り組んでいるところであります。
 
また、災害の多い4年間でもありました。昨年の熊本地震や鳥取県中部地震、今年に入っての九州地方を襲った大水害は記憶に新しいところですが、毎年のように全国各地で地震や水害などの大規模な自然災害が発生しております。本市においても、昨年冬には寒波による断水被害がありました。また、本年7月には集中豪雨で大規模な被害が発生しており、現在、その災害復旧に最優先で取り組んでおります。

 2 1期目の市政運営について

 次に1期目の市政運営を振り返らせていただきます。私は市長就任時から、本市における最大の課題は「人口減少とそれに伴う経済の縮小」と考えております。そこで1期目の市政運営に当たっては、「若者や子どもたちが増えるまちにしたい」、「高齢者が安心して暮らせるまちにしたい」、そして「元気な浜田をつくりたい」との思いから、3つの重点政策を掲げ、取り組んでまいりました。
 その第
1は「産業振興、企業誘致などによる雇用の場の確保」、第2は「子育て支援、教育の充実」、第3は「高齢者が安心して暮らせるまちづくり」であります。そして、それぞれの政策についてロードマップを作成し、進捗管理を行い、取り組んでまいりました。以下、主な取組を述べさせていただきます。

 (1) 「産業振興、企業誘致などによる雇用の場の確保」について

 第1の「産業振興、企業誘致などによる雇用の場の確保」につきましては、
 水産業では、「沖合底曳網全5船団の老朽化対策」を完了し、「山陰浜田港」ブランドを立ち上げ、高度衛生管理型荷さばき所の整備に着手しました。
 農業では、「『浜田の顔』となる振興作物」や「米のブランド化」の支援を行いました。
 観光交流では、「広浜鉄道」、「ヨシタケコーヒー」などの観光資源を発掘するとともに、「浜田港マリン大橋リレーマラソン大会」の開催、地域活性学会の誘致なども行いました。
 企業誘致では、IT企業、大規模畜産法人、トマト生産法人を誘致いたしました。
 さらには、「BUY浜田運動」や「ふるさと寄附」を通じて地域経済の活性化にも取り組みました。

 (2) 「子育て支援、教育の充実」について

 2つ目の「子育て支援、教育の充実」であります。
 まず、子育て支援では、「待機児童ゼロ」を目指し「保育所の整備支援」を行い、子育て世帯の経済的負担の軽減のため、「保育料の軽減」や「中学生までの医療費助成」に取り組みました。また、「不妊治療、不育症治療の助成」では、県内トップレベルに充実させました。
 教育の充実では、読書や作文等の「国語教育」、「ふるさと郷育の推進」に取り組みました。

 (3) 「高齢者が安心して暮らせるまちづくり」について

 3つ目の「高齢者が安心して暮らせるまちづくり」につきましては
 地域包括支援センターの充実に努め、「特別養護老人ホーム等の整備」を行い、高齢者の交通手段の確保のため「敬老乗車券交付事業」を始めました。

 (4) 3つの重点政策以外の政策について

 ただいま申し上げました3つの重点政策以外にも、生活道路の整備のほか、山陰自動車道の整備促進や臨港道路福井4号線をはじめとする浜田港の整備促進、また、近年高まっている災害リスクに備えるため、第2浜田ダムなどのインフラ整備などに取り組みました。
 そして、各自治区の振興にも取り組みました。金城自治区では元谷団地を開発し、美又温泉エリアにおいて足湯や石畳の整備を行い、旭自治区では旭温泉水を活用した産業創出や赤梨の生産基盤確保を推進しました。また、弥栄自治区では集落営農組織の連携や米のブランド化、浜田産広葉樹の高付加価値化を支援し、三隅自治区では念願の三隅発電所2号機の建設が決定し、「石州半紙」のユネスコ無形文化遺産再記載を機に関係自治体と連携してブランド化、販路拡大、新商品開発に取り組みました。

 (5) やり残した政策について

 一方では、やり残した政策や、引き続き検討を要する施策もあります。
 やり残した政策では、中山間地の諸問題への対応があります。中山間地においては、「高齢化が進み、道路や畦畔等の草刈が難しくなった」、「猪などの有害鳥獣を何とかして欲しい」との声を聞きます。こうした課題にしっかり対応しなければなりません。
 引き続き検討を要する施策では、1つは「(仮称)浜田歴史資料館」であります。「(仮称)浜田歴史資料館」につきましては、本年3月市議会定例会で予算案を提案いたしましたが、予算案を一旦取り下げました。多くの市民の皆様に「これならばいい」と思っていただけるような案を再検討したいと思います。
 もう1つは「浜田那賀方式自治区制度」であります。「浜田那賀方式自治区制度」は、「合併から当面10年間」の制度として導入され、2015年(平成27年)9月末が期限でしたが、市民の皆様のご意見をお聞きし、2020年(平成32年)3月末まで一部制度を変更して延長しました。2020年(平成32年)4月以降、どのようにするべきかにつきましては、改めて検討しなければなりません。

 以上申し上げましたように、1期目は、3つの重点政策を中心に様々な施策に取り組み、一定の成果を上げることができましたが、その一方、緒についたばかりのものや、積み残した課題もあります。2期目の4年間では、引き続き「元気な浜田づくり」に取り組んでまいります。

2期目の4年間について

 1 わが国の動向について

 2期目の次の4年間を私なりに見通してみたとき、わが国全体としての最大の課題は、引き続き人口減少問題であろうと考えております。
 本年10月には衆議院議員選挙が行われ、子育て、教育支援の充実が争点の一つになりました。国の責任において保育・教育の無償化の動きがでてきたこと自体は歓迎するものではありますが、地方負担の財源措置など不透明な点も多く、動向を注視していく必要があります。一方で、各自治体が地方創生に取り組み、自治体間での人口獲得競争は激化していくものと思います。
 2019年(平成31年)10月には消費税率10%への引き上げが予定されております。その財源は、社会保障費や少子化対策に充てられ福祉の充実に繋がる反面、高齢者などの社会的弱者にとっては負担増となり、消費税率引き上げは国民生活に大きな影響をもたらすのではないかと思います。
 また、2020年(平成32年)には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。外国人観光客の取り込みなど、観光政策におけるインバウンド対策の重要性がこれまで以上に高まっていくものと思います。一方、心配もあります。東日本大震災をはじめとする災害復興需要に加え、オリンピック需要が重なることから、日本各地での公共事業の増加により、工事資材の高騰が見込まれ、本市の公共事業にも影響が出ることも考えられます。

 2 浜田市の今後の4年間について

 次に、本市における今後4年間の見通しについてであります。
 本市においては、ここ数年、毎年概ね600人から800人の人口減少が続いており、出生数は昨年度初めて400人を切りました。今後も人口減少対策、とりわけ少子化対策にしっかりと取り組んでいかなければなりません。
 事業者数の減少による雇用への影響も懸念されます。平成29年2月に実施した「事業承継に関するアンケート調査」の結果では、本市では60歳以上の経営者が約70%を占め、「自分の代で清算・廃業するつもり」という回答が約42%もありました。事業承継対策や、新たな起業の支援にも取り組まなければなりません。
 次の4年間には、2つの大きな節目を迎えます。1つは2年後の2019年(平成31年)の浜田開府400年、もう1つは2020年(平成32年)3月が期限の自治区制度であります。共に本市固有の大きなことであり、充分な検討、準備を行う必要があります。
 

2期目に取り組むこと~引き続き「元気な浜田づくり」~

 以上の点を考慮しながら、2期目の今後4年間の取組について申し上げます。
 次の4年間は、基本的には平成28年3月に策定いたしました、「第2次浜田市総合振興計画」に掲げる将来像「住みたい 住んでよかった 魅力いっぱい 元気な浜田」の実現に向け、7つの「まちづくりの大綱」に基づき、各施策を推進し、1期目に引き続き「元気な浜田づくり」に全力で取り組んでまいります。
 なかでも、1期目で着手したものの実行途上となっている施策には引き続きしっかりと取り組むとともに、1期目にやり残したことや、新たな施策にも取り組んでまいります。
 次の4年間には、既存、新規を含め、次の7つを重点政策として取り組んでまいります。
 その第1は「産業振興と中小事業者支援」、第2は「少子化対策と子育て支援」、第3は「福祉の充実と市民負担の軽減」、第4は「ふるさと郷育と歴史文化の継承」、第5は「中山間地域の諸課題への対応」、第6は「防災・減災対策」、第7は「行財政改革」の、以上7つの政策であります。

 1 「産業振興と中小事業者支援」について

 第1は、「産業振興と中小事業者支援」であります。
 水産業の振興につきましては、1期目に引き続き、高度衛生管理型荷さばき所の整備に取り組み、しまねお魚センターや公設水産物仲買売場のあり方を検討し、方針を決めたいと思います。また、瀬戸ケ島埋立地での水産加工事業の実現に向けて、引き続き事業体の形成支援に取り組みます。
 農林業の振興のうち、農業では、引き続き農家所得の向上を目指し、振興作物や組み合わせ作物の生産支援などに取り組みます。
 また、儲かる林業を推進するため、低コスト再造林の普及と市産材の活用などに取り組んでまいります。

 中小事業者支援では、引き続き、「BUY浜田運動」の推進、地元産品の販路開拓支援に取り組みます。
 また、さらに、事業承継の支援に力を入れてまいります。市内事業者の廃業を少しでも減らすため、次代を担う経営後継者や
起業家の育成に、商工団体、金融機関、大学等と連携してまいります。 

 2 「少子化対策と子育て支援」について

 第2の「少子化対策と子育て支援」であります。
 少子化対策につきましては、毎年400人以上の出生数の維持ができるように、これまで実施してきました保育料や医療費の負担軽減、不妊治療等に対する助成をしっかりと継続してまいります。
 子育て支援につきましては、老朽化した子育て支援センターの整備に取り組んでまいります。
 なお、「少子化対策と子育て支援」に関しましては、今後国が力を入れていくことが想定されますので、国の動向を見極めて対応してまいります。

 3 「福祉の充実と市民負担の軽減」について

 第3は「福祉の充実と市民負担の軽減」であります。
 福祉の充実では、高齢者が安心して暮らせるために「地域包括支援センター」の機能の強化や「地域包括ケアシステム」の充実に努めてまいります。 
 あわせて、利用者に大変喜んでいただいている「敬老乗車券交付事業」の継続と更なる充実を検討してまいります。
 市民負担の軽減では、新たな施策を検討いたします。本市においては、平成30年度には、上水道事業と簡易水道事業の統合で、水道料金の見直しをせざるを得ず、また、国民健康保険の県一元化で、国民健康保険料の見直しも予定されております。さらには、2019年(平成31年)10月には消費税率10%への引き上げが予定されており、市民負担の急激な増加が危惧されます。
 こうしたことを考慮し、市民の負担軽減を図るため、「(仮称)稼いで生活安定化事業」の創設を検討してまいります。これは、企業誘致や遊休資産の有効活用などにより新たに確保した財源を「(仮称)市民生活安定基金に積み立て、水道料や国民健康保険料の値上げ抑制のための財源として活用しようとするものです。

 4 「ふるさと郷育と歴史文化の継承」について

 第4は「ふるさと郷育と歴史文化の継承」であります。
 ふるさと郷育につきましては、地域の教育資源である「ひと・もの・こと」を活用した体験活動や行事への参加・参画を推進し、子どもも大人もふるさとへの愛着が高まるよう、引き続き取り組んでまいります。
 浜田市は歴史のあるまちです。約1300年前の律令の時代、石見の国の国庁があり、江戸時代の1619年に浜田藩が成立し、北前船も寄港していました。明治3年には、浜田県の県庁も置かれました。浜田市には、貴重な歴史的資料や文化財がたくさんあります。
 (仮称)浜田歴史資料館」につきましては、歴史文化の保存と継承、ふるさと郷育の拠点になるものであり、将来の浜田市にとって必要な施設であると考えております。整備費用や立地場所などを再検討し、市民の皆様のご理解をいただける案を作成したいと思います

 5 「中山間地域の諸課題への対応」について

 第5は「中山間地域の諸課題への対応」であります。
 市周辺部の中山間地域においては、
交通手段の確保、耕作放棄地有害鳥獣被害、草刈りなどの課題があることを認識しております。それぞれ対策が異なりますが、市民の皆様の声を聞きながら、対策を検討してまいります。

 6 「防災・減災対策」について

 第6は「防災・減災対策」であります。
 近年、地震や津波に加え、想定を上回る大雨などの自然災害が各地で発生しており、防災・減災対策の強化が求められております。そのためには、これまで以上に市民と行政が一体となった取組が必要であります。支所への消防職員の配置を進め、自治区の防災体制の強化を図るとともに、自主防災組織の設立・育成、住民参加型の防災訓練の実施などにより、一層の防災・減災対策を進めてまいります。

 7 「行財政改革」について

 第7は「行財政改革」であります。
 市の財政状況は、市町村合併効果を最大限活用するなど財政健全化に取り組んだ結果、大きく改善、平成28年度決算に基づく健全化判断比率は県内8市の中ではトップクラスとなっています。
 しかしながら、今後につきまして、歳入においては、普通交付税の縮減、3年後には合併特例債の終了が想定され一方、歳出につきましては、社会保障関係経費の増加や集中投資を行った施設整備等に関する公債費負担の増加が見込まれ、収支や財政指標は悪化する見通しであります。
 こうしたことから、「公共施設再配置実施計画」に基づき、教育・スポーツ施設をはじめとする公共施設の整理に取り組むなど、「行財政改革実施計画」を確実に実行してまいります。
 なかでも、財産の利活用と処分は急務であることから、遊休施設の解体経費などに充てる基金の造成を検討し、遊休財産の積極的な売却や貸付を進めるなど、更なる自主財源の確保と経費節減に努めてまいります。
 また、本年度においては、全庁的な事務事業量調査を実施しております。今後、この調査結果に基づき、新たな定員適正化計画を策定するとともに、限られた職員数で、より円滑で効率的な行政運営が行えるよう、組織機構の見直しを行ってまいります。

 以上、7つの重点政策について申し上げました。これら以外について4点申し上げます。

 その他の政策について

 1つ目は、「開府400年に向けた取組」であります。
 城山公園整備につきましては、本年3月市議会定例会において、本年度予算についてご承認いただき、現在工事が進行しております。来年度以降も予算を確保し、2年後、2019年(平成31年)秋頃を目途に、整備を完了させたいと思います。
 なお、イベント等のソフト事業につきましては、本年度中に実行委員会を立ち上げ、検討、準備を進めてまいります。
 2つ目は、「自治区制度」についてであります。
 現制度の期限は、2020年(平成32年)3月であります。来年、平成30年度から検討を開始し、遅くとも期限の半年前、2019年(平成31年)9月議会までには方向性のご承認を得たいと考えております。
 3つ目は、「東京オリンピック・パラリンピック対応」についてであります。
 本市においては、事前キャンプ地やホストタウンへの立候補は、充分な施設がないことや財政負担などから、見送りたいと思います。しかしながら、世界中の人が東京に集まるせっかくの機会であり、開催中に石見神楽の公演ができないか、石州和紙を賞状などに使ってもらえないかなど、関係方面に働きかけてまいります。
 4つ目は、「観光における広域連携」であります。
 来年には、浜田港においては初となる外国船籍のクルーズ船が入港いたします。また、萩・石見空港の2便化の定着に向け、首都圏からのさらなるイン対策にも取り組まなくてはなりません。これらのためには、県西部の観光資源の見直しと情報発信が、今まで以上に重要となります。県や近隣市町とも連携し、広域での観光戦略を立て、推進してまいります。

 このほかにも今後4年の間には、現時点で想定していない事案や課題が生じることもあると思います。そうした場合におきましても、将来を見据えた上で、すぐに着手しておくべきことにつきましては、しっかりと取り組んでまいります。 

最後に

 以上、これまで、私の2期目の市政運営に関する考え方と政策について申し上げました。これらの政策をしっかりと推進し、着実に実行していくことが、ご支援をいただいた市民の皆様の負託にこたえることになり、「元気な浜田」をつくることにつながると考えております。
 行政を取り巻く課題は近年ますます多様化しており、近隣市町と取り組まなければならない課題も多くなっております。本任期におきましては、県の協力も得ながら近隣市町と連携し、島根県西部の中核都市としてリーダーシップを発揮して、課題の解決に取り組んでまいります。 
 議会の皆様はもとより、市民の皆様、並びに、関係の皆様のご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げまして、私の所信といたします。

 

 

このページに関するお問い合わせ先

ページの先頭へ戻る