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木造雨宝童子立像

指定日:昭和37年6月12日
所在地:浜田市三隅町三隅
所有者:正法寺
 
uhoudoji
 

 雨宝童子は、災いを除いて福をもたらす童子とされる。両部神道では大日如来、また天照大神が化身した姿ともされて、神仏習合思想によって生まれた日本創世の尊像である。

 本像は像高58.0㎝をはかる小像であるが、頭体の均整はよくとれており、やや厳しいまなざしの表情や端正な体躯、よく整えられた衣文の表現は鎌倉時代半ば以降の作風を示し、当時の京都・奈良で制作された作品と考えられる。

 正法寺奥の院には、三隅兼連の発願で伊勢神宮の内宮・外宮を祀ったとされる巌窟があり、伊勢神宮の主神が天照大神であることからすれば、その化身である本像も三隅氏における伊勢信仰に関係する尊像として考えられるかもしれない。

 中世にさかのぼる雨宝童子像は全国でも数少なく、また仏像が石見へもたらされる事情が推測できる点においても貴重である。

【参考文献】

島根県文化財愛護協会2018「しまねの文化財」

島根県立石見美術館2009『千年の祈り 石見の仏像』

三隅町教育委員会1982『ふるさとの文化財』

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