2018年 6月 28日
6月5日(火)読み聞かせ 「わたしはひろがる」(詩・岸武雄)
今回は本校の小田先生が担当、全校生徒が図書館に集合し小田先生が読まれる詩「わたしはひろがる」を聞きました。
わたしは 小さいとき、おやつのおかしが、弟より大きくないと おこった。
ときには、ひっくりかえり、足をばたばたさせて、わめいたこともある。
わたしが 世界のすべてであった。わたしが 世界のすべてであった。
(中略)
ああ わたしは たったひとりなのに むねの中の わたしは
弟も 養護の子も 原爆でたおれた子も アフリカの子も 山の獣たちまでふくめて
ひろがる ひろがる
この長編の詩の中の「わたし」は「養護の子(知的障がいの友達)」「内心ばかにしていた友達」「原爆でたおれた子」「アフリカのがりがりにやせた子たち」「(人間が山を開発したために)食べるものがなくなって村に出没して被害を及ぼすサルたち」にまで思いを広げ、すべての生きとし生けるものの立場を、相手の身になって理解できるようになる小学校の女の子。その胸の中の自分の世界の広がりを「わたしはひろがる」と目をつぶって自分に語りかけている、という絵本です。
成長するということは、このように「自分がひろがっていく」という感覚なんだな、と思いました。
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