2020年 12月 3日
11月24日(火)読み聞かせ 永野 先生
作品「ヨーレのクマ―」著者:宮部みゆき 絵:佐竹美保
フィヨルドと針葉樹の森に囲まれた町に,怪獣クマーは人知れず生きていました。
町の中心にある教会の鐘楼で,悪さをする怪獣から人間を守るために生きていたのです。
しかし,人間はクマーの姿を見たことがありません。なぜなら,クマーは透明だったのですから。クマーの善行を知るどころか,存在さえ人間は知りません。ところが,ある日,クマーは悪さをする怪獣と戦う中で,角を折ってしまいます。そして,クマーは姿を現し,自分自身もほかの怪獣と同じ姿であると知ってしまいます。最期に,美しくも深い湖の底に身を投げて,物語は終わりを迎えるのです。
なぜ,クマーに命を閉じることを選ばせてしまったのでしょうか。クマーと怪獣は同じ存在でしょうか。
優しい心を持ったクマーの存在が,描かれた美しい風景と共に一人一人の心に残ってほしいと願っています。
また,永野さんから「ヨーレのクマー」という作品が著者宮部さんの「悲嘆の門」の中に出てくる絵本であることも教えていただきました。機会があれば,読んでみたいですね。
本年度も読み聞かせでは,エンデの会の皆さん,杵束公民館さんに大変お世話になりました。コロナ禍の中でご苦労をおかけした点も多々ありましたが,地域の皆様のおかげで,生徒・教職員ともに心豊かな時間を過ごすことができました。心よりお礼申しあげます。
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