2022年 1月 19日
「トリックを見やぶれ1 よく見て!目のトリック 錯視・錯覚」(岩崎出版)
監修:曽木 誠 文:市村 均 絵:伊藤浩司
「歌川国芳―奇と笑いの木版画」(東京美術)
編集・執筆 府中市美術館(金子信久/音ゆみ子)
令和4年最初の読み聞かせの時間は,「トリックアート」に関するブックトークをしました。朝読書の時間に目で見て楽しみ,ちょっとためになるいい話になればという願いから,2冊の本を紹介されました。
「なぜ,人間は視覚的に錯覚を感じるのか?」それは,「脳」が関係していました。
人間が見えていると思っているものは,色の光を電気信号として送り「脳」が今までの経験から判断した画像であるということです。だから,「脳」が判断しきれなかったり迷ったりして,錯視が起きるそうです。
最後に見た「みかけはこわいがとんだいい人」という浮世絵は,江戸時代の幕末に向かう時代につくられた作品です。浮世絵師「歌川国芳」は,そんな不安な世の中でもユーモアを忘れませんでした。
顔は複数の人間のシルエットで描かれており,作品の中に「大ぜいの人がよってたかってとうとい人をこしらえた」と言葉が添えられています。
「大勢の人が一緒になって繋がっていくからこそ,尊い一人は存在できる」ということでしょうか。先行きが見通せない世の中を生き抜いた国芳だからこそ,伝えられるメッセージなのだと紹介されました。 トリックアートは楽しめたでしょうか。
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