ここから本文です。

平成25年度島根県学力調査の概要及びその分析について

平成25年度島根県学力調査の概要及びその分析について
浜田市教育委員会
 
 平成25年度島根県学力調査の結果について島根県及び浜田市の調査結果の概要についてお知らせします。
 
1 目的
   学習指導要領における各教科の目標や内容に照らした学習の実現状況、及び、学習や生活に関する意識や実態を客観的に把握することをとおして、島根県市町村立小・中学校における学習指導上の課題の改善状況を明らかにし、今後の教育施策の充実及び学校における指導の一層の改善に資する。
 
2 調査日 平成25年5月9日(木)、10日(金)
 
3 実施対象学年及び実施教科等   下表に記載のとおり
 
4 公表  県及び市町村の各学年・各教科の正答率、全国的な値との比較による結果概要及び県全体の意識調査の概要を公表
 
5 調査結果の概要 
【用語説明】
正答率:(1)児童生徒個人が、教科の問題のうち正答した問題の割合(正答を1、準正答を0.5として計算する)
    (2)1つあるいは複数の問題について、正答した児童生徒の割合
 
全国的な値 : 同じ調査を受けたすべての児童生徒についての正答率
目標値 : 本調査で期待したい正答率
無解答率 : 設問に対して解答をしなかった割合
 
6 留意事項
   今回の調査で測れるのは学力の一部であり、このことを踏まえて、単に数値のみで序列化された過度の競争につながることがないように留意しなければならない。
               
1 島根県学力調査における正答率

 
国語
社会
算数・数学
理科
英語
4
62.7(△6.3)
 
69.2(△2.1)
 
 
5
72.5(△0.2)
62.9(△0.4)
65.3(△0.9)
68.4( 0.8)
 
6
68.8(△3.4)
69.6(△2.0)
63.2(△3.6)
67.6(△3.1)
 
1
69.5( 0.2)
63.0( 0.1)
67.9(△1.6)
67.8( 2.1)
 
2
77.5( 5.9)
56.0( 5.4)
60.1( 1.8)
60.2( 2.4)
59.4( 2.4)
3
68.1( 1.6)
A 53.4(5.0)B 54.7(3.7)
54.0(△2.6)
56.3( 0.8)
57.1( 3.3)

  (  )内は全国平均との差。社会の「A」は地理・歴史、「B」は世界地理先習での内容
 
* 結果から分かること
1)小学校では、5年生の理科のみが全国平均を上回った。他は全ての学年教科で下回った。
2)中学校では、1・3年生の数学が、全国平均を下回った。他は、全ての教科で全国平均を上回った。
 
2 浜田市全般における正答率について

 
国語
社会
算数・数学
理科
英語
4
60.9(△1.8)
(△8.1)
 
69.3( 0.1)
(△2.0)
 
 
5
70.7(△1.8)
(△2.0)
61.8(△1.1)
(△1.5)
62.3(△3.0)
(△3.9)
65.5(△2.9)
(△2.1)
 
6
66.8(△2.0)
(△5.4)
67.5(△2.1)
(△4.1)
63.0(△0.2)
(△3.8)
65.3(△2.3)
(△5.4)
 
1
66.5(△3.0)
(△2.8)
59.6(△3.2)
(△3.3)
65.4(△2.5)
(△4.1)
63.5(△4.3)
(△2.2)
 
2
75.8(△1.7)
4.2)
57.0( 1.0)
 ( 6.4)
59.6(△0.5)
( 1.3
60.1(△0.1)
2.3)
60.1( 0.7)
3.1)
3
65.9(△2.2)
(△0.6)
 
 
52.1(△ 1.3)
3.7
52.8(△1.9) 1.8
50.4(△3.6)
(△6.2)
53.5(△2.8)
(△2.0)
54.5(△2.6)
( 0.7)

( )上段:県平均との差。( )下段:全国との差 
 
* 結果から分かること
(1)小学校では、県の平均を超えた学年及び教科は、4年算数のみであり、他の学年及び教科は全て県平均を下回った。また、全国平均との比較では、全て下回った。県平均より3p以上下回った学年及び教科は、4年国語、5年算数であった。4年は昨年度算数が県平均程度であったが、本年度は3p下回った。
(2)中学校では、県の平均を超えた学年及び教科は、2年社会・英語であった。それ以外は、全ての学年、教科において県平均を下回った。全国との比較では、2年は全ての教科で上回った。また、3年は、社会・英語で上回った。県平均より3p以上下回った学年及び教科は、1年国語・社会・理科、3年数学であった。  
(3)教科では、算数・数学、理科の落ち込みが目立っている。
 
3 経年比較から分かること
1)小学校5年:国語は改善傾向にあるが、算数は昨年度と比べ県平均で4p以上下回った。
   小学校6年:国語・算数は改善傾向であるが、理科・社会はやや下降気味である。
2)中学校1年:全ての教科で県平均を2.5~4.3p下回っているが、全ての教科において昨年度よりも県平均との差が縮まっており、改善傾向が見られる。
   中学校2年:英語を除く4教科(英語は前年度実施なしのため比較できない)において、過去2年~3年県平均との差が小さくなり学力の向上が見られる。
   中学校3年:数学・理科において改善傾向が見られる。英語が1p以上昨年度を下回った。国語・社会は、微減である。
 
4 各学年の結果から分かること
1)教科の学習について
  ○国語
   漢字やローマ字については、新出の際に確実に習得することが大切であり、家庭学習等によって定着。主語と述語、修飾語の関係については、作文とも密接な関係があるため、ふだんから日記指導等をとおして、「何が、どうした(+どのように)」をはっきりさせた文を書くことの指導。
   説明文を中心に、文章や段落の要約、文と文の関係、段落と段落の関係等を押さえていく指導の充実。
  ○算数・数学
   数の拡張に伴う除法の意味理解。
   グラフ・表を読んだり、作成したりすること。
   長さ・面積・重さ・角の大きさなど量感を豊かにする指導。
   平均の意味・割合・比の指導。
   基本となる計算の確実な習得(家庭学習等により習熟)。
   グラフと式の関係の理解。
   証明問題等論理的思考力の育成。→算数・数学での用語・式・図(グラフ・表)を用いて説明する力の育成(言語活動に関わって)。
   算数的活動・数学的活動をとおし、自ら考え、判断する学習過程の工夫。
*系統性が重要な教科なので、それぞれの段階で確実に習得していく。
  ○社会
   地図によって位置を調べるなど、地図帳の活用。
   現象(結果)に至った背景(原因)を明らかにする指導。→図書館を活用した調べ学習の導入
   生活と関連させた学習指導の展開。→学習意欲の向上
   名称(用語)等の確実な習得。→正しい名称(用語)を用いて説明するなどの活動を取り入れる(言語活動に関わって)
  ○理科
   実験器具の正しい扱い方、正しい実験の手順を知り、実験を行う。
   実験(観察)の目的、実験(観察)によって何が分かったのか等を考察する力の育成。
   生活と関連させた学習指導の展開。→学習意欲の向上
   名称(用語)等の確実な習得。→正しい名称(用語)を用いて説明するなどの活動を取り入れる(言語活動に関わって)
  ○英語
   簡単な日本語の意味になるよう英文にして、書いたり、話したりする力の育成。→指導方法の改善。(和訳や文法指導に偏った指導にならないように)
  
2)記述式問題・無解答の問題について
   前年度と同じ記述式問題に対して、本年度は無解答の割合は総じて減少してきている。(中学校3年はいずれも昨年度よりも増加)
   県平均と比べると、全学年で記述式問題が59問出されたがそのうち無解答の割合が1p以上県平均を上回った問題は49問であった。しかし、最大で6,7pであり、差は縮まってきている。
   無解答の問題のうち、半数以上は漢字・ローマ字等を書く、読むことや、社会・理科での名称(用語)についてであり、知って(覚えて)いなければ書けない内容であり、新出の際に確実に覚えていくことが必要である。
   また、記述式問題に関わって、ふだんから自分の立場をはっきりさせて話し合い(ディベート)を行ったり、記述をしたりする指導が必要である。
 
5 児童生徒質問紙から分かること
1) 基本的生活習慣等について
  「ふだん6時半までに起きて、午後10時までには寝る」、「朝食は毎日食べる」等の基本的生活習慣に関わることは概ねできている。「自分には、よいところがある」の自尊感情についてはいずれの学年も県平均よりも高い。
2) メディア接触について
  テレビ・ビデオの視聴時間が1時間以上の児童生徒については前年度比で小学校4年が約1p増加したが、他の学年では減少し、視聴時間は概ね短くなっている。一方、3時間以上視聴している児童生徒はいずれの学年も11.4~18.4pいる。しかし、県平均を1.8~6.9p上回っている。
   テレビゲームについては、中学1・2年以外は1時間以上する児童生徒が増加し、中学1年を除き、他の学年は県平均を0.7~8.8p上回っている。
3) 携帯電話の使用について
  携帯電話を一日に1時間以上使用している児童生徒は前年度よりいずれの学年も増加し、県平均を上回っている。
(4) 家庭学習の時間について
  前年度より1時間以上家庭で学習する児童生徒の割合は前年度に比べて増加した学年もあるが、平日の家庭学習において、小学校6年以上はいずれも県平
均で13.5~19.3p下回っている。特に「全く、またはほとんどしない」割合は、学年が進むにつれて県平均との差が広がる傾向が見られる。中学校3年生では、18.5pもいる。
 
6 今後の対応について
1)授業改善について
  授業の主役は児童生徒である。常に教師による一方的な講義式の授業では、児童生徒の主体的な学びは望めない。教えるべき内容と児童生徒自らに考えさせたり、見つけ出させたりする内容とを区別して指導することが必要である。
  特にねらいに応じて、言語活動を取り入れることは、課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養うためにも重要である。
 また、特に単元の導入にあたっては、ここで学習する内容が自分達の生活とどのように関連しているのか、どこで使われているのかなどを知らせることで、児童生徒の学習に対する期待感を高めることが必要である。
2)家庭学習について
 家庭学習の時間が少ないことが、学習が定着しない原因として考えられる。学校の授業では、自ら課題解決の方法を考えたり、深めたりする学習を行い、家庭学習において、スキルを身に付ける学習を行い、確実に習得、習熟するようにする。家庭学習は、小学校では、学年×10分(できれば15分)、中学校では、学年×1時間の家庭学習の時間を確保することが必要。小学校では、学級担任が必要な量の課題(宿題)を出し、家庭学習の習慣を身に付けるようにする。中学校においては、教科担任制であるために、どの教科でどの程度の課題が出されているかを把握するために、黒板等を活用して各教科担任が課題の分量(課題をこなす大まかな目安となる時間)を書くなどして、家庭学習の時間を確保するなどの取組が必要である。また、家庭学習については、保護者の協力が不可欠である。学級懇談、PTA総会等の機会を捉えて、その必要性を保護者に理解・協力していただけるよう説明することが必要である。
3)メディア接触について
 家庭学習の習慣が身につけば、テレビ・テレビゲーム等のメディア接触の時間も自ずと短くなるものと考える。ノーメディアデーの取組は学校ごとに行われている。すでに実施されている中学校区もあるが、中学校の定期テストに合わせて中学校区で統一したノーメディアデーの取組を実施するなどしたい。このことも家庭学習同様、保護者の理解と協力が不可欠である。

このページを見た方はこんなページも見ています

    CONTACT このページに関する
    お問い合わせ先

    浜田市 教育部 学校教育課 学力向上推進室

    QUESTIONNAIRE このページに関するアンケート

    このページは見つけやすかったですか?
    このページの内容はわかりやすかったですか?
    このページは参考になりましたか?