指定日:昭和48年5月1日
所在地:浜田市大辻町
所有者:宝福寺
紙本墨書大般若経 一部
『大般若波羅蜜多経(だいはんにゃはらみつたきょう)』全600巻は、中国の唐時代の僧玄奘(げんじょう)(602~664)が集大成した経巻(きょうかん)である。真言宗宝福寺には、大般若波羅蜜多経が574巻残っており、すべて写経である。折本(おりほん)、五行に書かれてある。
巻第600の奥書に
「去嘉吉三年癸亥五月三日於山陰道石見國
小石見郷田村寶福寺始之 來
文安元季甲子仲夏令書寫終畢
本願主同筆者住持権律師 頼珍
大旦那 藤原朝臣能登守信兼」
とある。
石見国の頼珍、祥應、精秀、日向国の朝空、長門国の快真、安房国の宗仙、肥前国の成淳、薩摩国の桂林などの筆写する者と折紙を作る者や助筆者により、嘉吉3年(1443)5月に始まり文安元年(1444)5月に写経が終っている。
大般若経信仰や他国との交流、浜田の地名の初見を知る貴重な文化財である。
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