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銅造誕生釈迦仏立像(浜田市指定文化財)

指定日:平成7年3月28日
所在地:浜田市黒川町 浜田郷土資料館
所有者:浜田市

銅造誕生釈迦仏立像  

昭和63年(1988)に実施された石見国分寺跡の発掘調査で出土した7世紀後半の仏像である。出土したのは真北方向に延びる溝状遺構内からで、炭化した 建築材の上を覆っていた焼土から土師器や多量の瓦とともに出土している。この状況から、平安時代後半に火災があり、その処理の過程で廃棄されたものと考え られる。
出土した仏像は足の向きと体の向きとを若干ずらして右へひねりを与え、さらに背中を反らし、左肩を下げ、裳(も)の右裾(みぎすそ)を上げることで右腕を 勢いよく上げる動作を表現している。また、胸や腹部は自然な膨らみをもたせ、裳は上端の折り返しを小さくして誇張せず、着衣も忠実に現わしている。鋳造はろう(ろう)型技法を駆使し、動きのある写実的な造形を作り出している。なお、頭部、左右前膊(ぜんはく)部及びほぞ(ほぞ)が欠損しており、残存総高は11.5cmを測る。
なお、石見国分尼寺跡からも同時期の銅造誕生釈迦仏立像が出土しており、日本における初期仏教文化を考える上で貴重である。

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