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片山古墳(浜田市指定文化財)

指定日:昭和44年11月3日
所在地:浜田市下府町
所有者:個人

片山古墳

 



片山古墳石室実測図

片山古墳は下府平野を望む標高41mの丘陵斜面に立地する。墳丘は一辺12m、高さ5mの方墳で、墳裾と斜面中段に外護列石(がいごれっせき)を廻(め ぐ)らしている。内部には長さ6.4m、幅1.7m、高さ1.9mの無袖型の横穴式石室が設けられ、側壁には敲打(こうだ)技法によって仕上げ加工された切石が部分的に用いられている。副葬品については、江戸時代にはすでに開口していたため一切不明であるが、立地、墳形、外護列石、切石等の特徴から7世紀中頃には築造されていたものと考えられる。
片山古墳はこの地域の有力首長墓であり、また、下府廃寺(国指定)とは近接し、年代的にも大きな開きがないことから、下府廃寺も同系譜の首長によって造営 されたものと想定される。これら有力首長の動向は、石見国府の設置背景をはじめとする律令国家成立期の石見を考える上で重要であり、片山古墳と下府廃寺はそれを具体的に示す遺跡として貴重である。 

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