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シリーズ「島根あさひ社会復帰促進センター」その2 過剰収容の現状と対策

 先月号では、刑務所について説明いたしましたが、今回は、その刑務所がどのような状況にあるかお話します。
刑法犯認知件数および拘留人員の推移グラフ  世界一安全な国といわれた我が国も、昨今の犯罪の増加や凶悪化を原因として、刑務所・少年刑務所・拘置所に収容される者が急増しており、平成4年には約4万5,000人であったのが平成15年3月には7万人を超え、平成16年末現在では、7万6,413人となっています。特に、刑が確定し、刑の執行を受けるため、刑務所に入る者(受刑者)だけで見ると平成16年末現在で約6万5、4931人(収容率117.6パーセント)に達し、多くの刑務所で、受刑者の人数が収容定員を大きく上回る過剰収容状態が続いています。
 そのため、各刑務所においては、6人定員の共同部屋にベッドを二つ置いて8人で使用したり、単独部屋に布団を二人分敷いたりするなど部屋(居室)の定員を超えて収容しています。また、集会室、倉庫などを改修して、居室・作業場に転用するなど応急措置で急場をしのいでいます。
 こうした受刑者の過密な生活環境は、受刑者に緊張感・圧迫感をもたらし、それによるストレスが受刑者同士のけんかなどを引き起こす原因ともなっています。
 日本の刑務所は、諸外国で見られるような暴動もなく、世界で最も安定した犯罪者処遇を実施している施設といわれています。過剰収容とはいえ受刑者一人ひとりに対しては、きめ細やかな教育や指導を行わなければなりません。そのため、国の職員である刑務官には過重な負担が強いられ、十分な休暇を取得できないなどの支障も生じてきています。
 法務省では、このような過剰収容状態の解消のため、刑務所などの収容棟の増築、女子刑務支所の新設など収容能力の拡充を進めるなどしてきましたが、収容人員の増加傾向が今後も継続することが予想されるため、PFI手法を活用した新たな刑務所を整備することにしました。第1号が山口県美祢市に、第2号が島根県浜田市旭町に整備されますが、この施設は、単に収容能力を増強するという過剰収容対策ということだけではなく、受刑者一人ひとりに高度な矯正教育・職業訓練などを実施することによって再犯を防止し、そのことによって受刑者を減少させるという中長期的な過剰収容緩和の効果が期待されています。

受刑者入出所人員の推移グラフ

受刑者数および職員定員の推移グラフ
 

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