会議結果報告
会議名 |
平成27年度 第3回浜田市立図書館協議会 |
開催日時 |
平成28年3月22日(火)午前10時30~正午 |
開催場所 |
浜田市立中央図書館2階 多目的ホール |
会議の担当課 |
教育部中央図書館 |
議題 |
(1)子ども読書アンケート調査結果について (2)図書館協議会委員の任期満了に伴う委員の改選について (3)平成28年度事業実施スケジュールについて (4)浜田市立図書館協議会「意見等集約シート」での意見について |
公開・非公開 |
公開(傍聴0人) |
主な意見、質問及び協議内容
1 子ども読書アンケート調査結果について
資料に基づき、事務局から調査結果について説明した。
【委員からの主な意見】
(質問)
- 乳幼児の健康診断などの機会における親に対する働きかけ等の取組みはできているのか。
(回答)
- 子育て支援課の事業として、ブックスタート事業というものがある。乳幼児健診時に、絵本の紹介や、ボランティアによる読み聞かせ、また読み聞かせに使った絵本を各世帯に無料配布を行うなどしている。また、1歳6カ月健診や3歳健診時にも読み聞かせ等を実施している。
(意見)
- 本から足が遠のいている方は、本との出会いが難しい。新たな事業に参加するというのはハードルが高いように思う。他の事業との抱き合わせで本との出会いを作ってあげるのは良いことだ。
(意見)
- 以前、子育て支援センターでお話しをしてほしいと依頼を受け、子どもと親を相手に読み聞かせをしたことがある。そういった機会では、十分な時間を取ってしっかりと、本の選び方や、読み方等、大事なことをお伝えすることができた。とても有意義な取組みである。子育て支援センターは蔵書もかなり多く、子ども向けの良い本もたくさんある。
(意見)
- 今回のアンケート結果みて感じるのは、小学校から中学校にあがる時期に何かの大きな問題みたいなものがあり、読書量が減るという状況がある。それは小学校における読書の位置づけが尾を引いているのと、中学校教育における時間配分の問題などだろうと思う。そのなかで、市立図書館で何ができるのか、乳幼児における読書習慣のために取組みなどを継続して協議していきたいと思う。今回のアンケートは非常に充実した内容となっており、来年度以降においても、このアンケート結果を参考・情報共有して、今後の議論に活用していきたい
(意見)
- 保育所の家庭の市立図書館の利用が少ないとアンケート結果にあったが、金城や旭などの分館の開館時間をずらすことを試行してみてはどうだろうか。17時に閉まってしまうと、中学生は利用できないし、仕事をもつ親も利用できない。
2 図書館協議会委員の任期満了に伴う委員の改選について
資料に基づき、事務局から説明。次期委員の推薦団体については変更せず、今後、各団体に委員の推薦書の提出を文書で依頼する。なお、現委員の再任は妨げない。
【委員からの主な意見】
(意見)
- 委員の選出団体について、幼児教育に係る団体からの委員選出はしないのか。幼稚園の園長など、現場の意見があれば良いのではないか。委員数も10人に固執せず11人にして、より良い議論ができるのではないか。
(回答)
- 今後検討する。
3 平成28年度事業実施スケジュールについて
資料に基づき、事務局から説明。イベント・行事以外の事業で、利用者カードの更新がある。利用者カードの有効期限は3年で、平成28年8月には7,000件程度が更新に該当する。
【委員からの主な意見】
(質問)
- 子ども読書会の参加者25名とあるが、これは延べ25名か。
(回答)
- 延べ数ではなく、市内4地区で25名の子どもが毎月活動を行っている。
4 浜田市立図書館協議会「意見等集約シート」での意見について
(1)読書通帳について
(回答)
- 読書通帳は、自分の読書記録が銀行の通帳のように「貸出日」、「タイトル」、「本の値段」等が記帳されるもので、主に以下の3タイプがある。
(1)預金通帳タイプ 専用機器で貸出記録を印字する
(2)お薬手帳タイプ 貸出記録が印字されたシールを貼り付ける
(3)自書タイプ 利用者自身が貸出記録を書き込む
預金通用タイプについては、2010年に下関市立中央図書館が全国で初めて導入し、これまで2万冊を発行している。報道によると、現在、全国で12市町が機器を導入。
導入によって、履歴を目に見える形にすることで読書への関心・意欲を促し、貸し出しが以前に比べて増えたという自治体が多い。その意味では図書館の活性化に一定の効果が出ている。
下関市立図書館の担当者は、「このサービスは行政区域が狭く人口密度が高いところで有効だと感じています。また運営コストなども検討の余地があります。」とコメントしている。
いずれにしても、子どもの市立図書館利用の促進には有効な手法であろうと思う。一方で導入コストや運用面等、システム等の改修等いろいろと課題もある。今後も、読書通帳については継続して研究、検討していきたい。なお、ATMタイプの導入には1台500万円相当、ライニングコストは確認していないが月数万円はかかると思われる。
(2)子どもの本の選書等について
(回答)
- 子どもの本に限らず、図書館の本は全て、司書資格のある職員の合議によって「選書」が為されている。わが国で発行される図書は、2014年の場合、専門書やコミックなど図書館ではあまり蔵書にしないものも含めて8万2,000冊程度といわれており、そのうち児童書は5,013冊で、全体の6%に当たる。
中央図書館では、貸出においては全体で年間22万冊程度あり、児童書の比率は40%程度を占めることから、図書の購入額においては、全体の25%程度を児童書の購入に充てており、利用傾向に合わせた選書を実施している。
子どもの本については、従来から繰り返し読まれる本や、世間で定評があり書架に常置されるべき本もあり、また調べ学習等で使用したい図書に関しての充実も図っていかなくてはならず、資料自体への知識も要求される。
また、県立図書館が、毎年の「子ども読書習慣」に合わせて「おすすめしたい 子どもの本」を乳幼児向け、小学生向けの2つの冊子を発行しているが、これらについては蔵書と照合のうえ、中央図書館に蔵書がないものは準備することとしており、各種読書関連団体が薦める「課題図書」や「推薦図書」についても、蔵書とするよう努めている。
現状におきましては、図書館の蔵書は、破棄することよりも保存に重きを置いており、少々の痛みについて、職員の手による補修等おこなっている。なお、「閉架書庫」の資料については、OPAC検索により、利用者への閲覧、貸出を可能にしており、資料の保存と利用者への提供と図っている。
(意見)
- いわゆる良書と言われる本が、以前からこの中央図書館にあり、かなり傷んでいる。先ほど、保存が大事と言われたが、子どもに読み聞かせをするときにセロテープが貼ってあったりする。こういう本は好ましくない。また、読み聞かせの本を選ぶ時にはずいぶん迷うものだが、閉架書庫にあることが良くある。閉架にあると良書を手にとって目にすることができないため、できれば良書といわれるような本は、いつでも見られるように、またきれいな状態で置いていただければありがたい。
もう1点、小学校や幼稚園に読み聞かせに行った際に、子どもたちに「図書館でこんなことをしているから来てね」と話をすると、子どもは「親が連れて行ってくれない。」という。校区のこともあり、子どもだけではこの中央図書館を利用できない子どももいる。これが子どもの図書館利用のネックになっている。この点について有効な手立てがないか考えていただけると子どもの図書館利用がもっと増えると思う。
(質問)
- 浜田市立図書館では、本は保存のための修復をしているとのことだが、専門の職員がいるのか。
(回答)
- 専任ではないが、長年本の修復に従事しており、また修復の研修等も受講している職員がいる。
閉架に閉まっている本は、傷んでいたり、大変貴重な本であ ったり、そういった本が主である。セロテープによる修復については、恐らくは利用者の方が自らされたのではないかと推測する。図書館職員はメンディングテープという特殊なテープを利用する。また、古くて現在では入手できないような本もある。例えば「ケンといわみかぐら」という岩崎書店から出版された人気の本があるが、市内に10冊くらいあるが、中央図書館では本の痛みが激しいため1冊も開架に出せていない。いま2冊くらい修理中である。じつは先日旭の廃校となる学校から1冊見つかったため、中央図書館の蔵書とさせていただいた。現在、図書館用の装備をして開架に出そうかと準備をしている。このように色々な情報網も使いながら、良書をいわれる本の入手には努力しているところである。また、先ほどあったようなセロテープが貼ってあるような本を見かけたら、スタッフに伝えてほしい。出版社に問い合わせるなどできるので、そういった働きかけをしていただければありがたい。
(3)図書館常勤職員の司書資格者の割合について
(回答)
- 浜田市立図書館の現状においては、図書館に勤務する正規職員の司書資格保有者は2名で、産休中の職員を含めると3名となる。また、非常勤職員の司書資格者は、採用時に「司書資格を有する者」と限定している嘱託職員が分館を含めて6名で、現在1名欠員のため、本来は7名の配置である。資格要件のないパート職員に1名。合計10人で、職員全体の27%を占める。
図書館の運営においては、図書の分類、装備仕様の把握、図書館の使命や役割の認識、図書そのものの知識等、専門的な知識を事前に備えた司書資格を保有する人材がいることが重要であると認識している。
今後、市全体の人員配置のなかで、司書資格を有する職員の配置・確保について人事課と継続して協議していきたいと考えている。
(4)市民と共につくる図書館はどのように進化するのか
(回答)
- 先日、多目的ホールを使用する読書推進を趣旨とする団体との調整会議を実施したところである。その中で、グループごとの横のつながりを強めたいとのご意見をいただいた。中央図書館としては、各団体に互いに情報交換、共有していただくことは有意義なことであるので、ボランティア活動室にメールボックスを設置し、各団体に積極的に活用していただくこととした。現在、メールボックスを手配中で、準備が整い次第、各団体に運用開始の連絡をしたいと思っている。
色々な方法があると思うが、読書推進に関わるボランティア団体の力は、市立図書館運営において必要不可欠なものであると認識しており、今後も市立図書館として連携、協力、支援等していきたいと思っている。
(5)学習スペースの課題
(回答)
- 学習スペースの予約が取りにくいのではないかということについては、現状、中学校、高校における中間試験や期末試験の時期の週末には終日満席になり予約がとれないという時期はあり、生徒さんからのご意見、投書をいただいたこともある。それ以外は1年を通してほとんど満席になるということはなく、利用者からも「席がない」という申出もない状況である。
課題については、この一時的な満席時の対応ということになるが、総合的にみると、大きな問題もなく学習スペースの運用ができていると認識している。
学習スペースの拡大についても何度か投書をいただいたことがあるが、費用的な問題はもちろんのこと、図書館資料を閲覧するための閲覧席を縮小することにつながるため、現状の運用を継続していきたいと考えている。
(6)気軽に保護者が読める月刊誌
(回答)
- 具体的には「母の友」という月刊誌を挙げられている。出版社は福音館書店で、内容は婦人向けのもので、子どもとの関わり合いの中で、本との関連についての特集も多く掲載されています。単価は1冊505円である。
現在、中央図書館では、140冊超の雑誌を雑誌架に配架しているが、ご提案の雑誌を定期購入誌に加えるか、また配架場所を雑誌架にするのか児童書コーナーにするのか等も含めて検討していきたい。
その他
○金城図書館の移転開館について
資料に基づき、事務局から報告した。
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