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令和6年度施政方針、教育方針

 

令和6年度施政方針 

 令和6年3月浜田市議会定例会議の開会に当たり、今後の市政運営に関する所信を申し述べ、議員並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます 

 市長

 施政方針を表明する久保田章市 浜田市長

 

はじめに 

 令和6年度は、私にとって、市長3期目の任期の折り返しを過ぎたところであります。
 これまでの取組を振り返り、市の現状を踏まえつつ、令和6年度の施政方針を申し上げます。

 

取組の振り返り

 まずはこれまでの取組の振り返りについて4点申し上げます。

 1. 新型コロナ対応

 1点目は、新型コロナ対応について、であります。
 この3年半、新型コロナ対応に全力で取り組みました。感染予防対策の呼びかけ、ワクチン接種の取組、市民生活や事業者を守るための支援策の実施などに取り組みました。
 ワクチン接種につきましては、令和6年1月28日時点で、65歳以上の接種率が62.8%、全体でも33.4%となっており、県内8市の中でトップであります。
 昨年5月8日から、新型コロナの位置付けが、季節性インフルエンザと同じ5類に移行し、人々の生活も徐々にコロナ禍前に戻りつつあります。しかし、新型コロナが無くなった訳ではありません。引き続き、感染予防に関する情報提供や啓発、ワクチン接種に努めてまいります。

 2. 物価高騰対策

 2点目は、「物価高騰対策」についてであります。
 長く続いたコロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻、円安などを背景に、原油価格や食料などの物価が高騰しています。その影響を受け、厳しい状況にある市民生活や地域経済を支えるため、全業種で利用可能なプレミアム付「はまだ応援チケット」の発行など、各種支援策に取り組みました。
 また、特に影響を受けた子育て世帯への支援策として、浜田市が独自に子育て世帯応援給付金を支給いたしました。
 この他にも、原油価格・物価高騰の影響を受けている福祉施設や医療機関、タクシー事業者などに対して支援を行いました。

 

 3. 若者対策

 3点目は、「若者対策」についてであります。
 「地域の日」などで、若者や子育て世代から頂戴したご意見を参考に、令和5年度に「若者支援ファンド」を創設し、若者向け支援施策に取り組みました。現在、多くの若者や若者と地域活動に取り組む団体に支援メニューを活用していただいており、今後も更に支援を充実してまいります。
 また、国の「地域おこし協力隊」制度などを活用して、農業、音楽、歴史・文化、事業承継などの分野で活躍する若者の移住促進に取り組んでおります。
 今後も引き続き、若者や子育て世代の皆さんに、住んでよかったと思っていただけるよう、「若者対策」に取り組んでまいります。

 4. 協働のまちづくり

 4点目は、協働のまちづくりについてであります。
 コロナ禍の3年間、地域の皆さん方は、まちづくり活動に大変ご苦労されたものと思います。
 昨年5月の5類移行後、感染対策を講じて徐々に活動を再開してこられました。市としても、引き続き、まちづくりセンターを拠点とし、まちづくりコーディネーターの配置や、まちづくり総合交付金事業などの財政的支援などを行い、今後も地域が必要とされる支援に取り組んでまいります。
 協働のまちづくり推進計画につきましては、進捗状況を「浜田市協働推進本部」で自己点検するとともに、「浜田市総合振興計画審議会」及びその専門部会である「浜田市協働のまちづくり検討部会」で評価・検証を行いました。
 また、まちづくりセンターにつきましては、「浜田市協働のまちづくり検討部会」において、まちづくりセンターへの視察を行い、市で実施した市民等へのアンケートや、「浜田市社会教育委員の会」から提出された意見書も踏まえて、評価・検証の取りまとめが行われております。今後、取りまとめ結果の報告を受け、市の方向性を検討いたします。

 

市の財政状況

 次に、市の財政状況について申し上げます。
 私は、財政運営に当たっては、できるだけ国等の支援を受けて財源を確保し、必要な事業をしっかり行う、というスタンスで財政運営を行ってまいりました。
 ここ数年、新型コロナ対策、高度衛生管理型荷さばき所の整備、高速情報通信基盤整備事業など、大型事業に取り組みましたが、財源の大半を国からの交付金などで賄いました。
 また、公共施設の再配置をはじめとした様々な行財政改革に取り組むとともに、自主財源の獲得にも努め、ふるさと寄附は、毎年12億円前後、中国5県でトップクラスの寄附を集め、緊急性を有する事業など、一般財源では賄えない事業に取り組んでおります。さらに、一昨年11月に中国電力三隅発電所2号機が運転を開始したこともあり、令和5年度の固定資産税の増加が約23億円となり、交付税調整後の実質増収が約6億円となりました。
 こうした財政運営の結果、本市の財政状況は、健全化指標で見ると、県内8市の中では、トップクラスにあります。今後も繰り上げ償還などにより、更なる健全化に努めてまいります。
 市の貯金とも言える基金残高につきましては、令和5年度末に財政調整基金が約57億円、繰り上げ償還の原資となる減債基金が約31億円、ふるさと応援基金が約24億円など、合計で約158億円確保しております。
 令和6年度に取り組む事業は、こうした市の財政状況も考慮し、必要性と優先順位を考え、有利な過疎債なども活用し、財政運営を行ってまいります。

 

令和6年度の施政方針

 令和6年度は、先ほど述べました取組及び第2次総合振興計画を踏まえ、施策を推進してまいります。
 最初に、令和5年度から特に力を入れている4点について、申し上げます。

 1. 防災危機管理

 1点目は、防災危機管理であります。年初には、地震・津波により、石川県能登地方を中心に甚大な被害が発生し、多くの人命や財産が失われました。改めて防災・減災の重要性を認識したところです。本年はこれまで以上に防災をはじめとした危機管理に力を入れてまいります。6月の浜田市総合防災訓練は、全市を挙げて行うこととしております。
 防災・減災の第一歩は、防災情報を迅速かつ正確に市民へ伝達することであります。浜田市では、これまで防災行政無線、浜田市防災防犯メール、LINE等のSNS、アプリ等を整備してまいりました。
 このうち防災行政無線につきましては、老朽化して更新の時期が到来していることから、令和8年度の事業完了を目指し、次期防災情報システムの整備を行ってまいります。
 次期防災情報システムでは、自宅で防災情報を聞くことができる個別受信機等の普及に力を入れ、防災情報を防災行政無線や防災防犯メール等に一括配信する機能を導入し、より速やかに、より多くの方法で情報伝達できる手段を整えてまいります。

 2. 若者対策

 2点目の、若者対策につきましては、令和6年度も引き続き、ふるさと寄附を財源とした「若者支援ファンド事業」に取り組み、若者支援メニューを充実してまいります。
 また、引き続き、地域おこし協力隊を活用して、若者を受け入れ、若い力を地域で生かすとともに、彼らの定着に向け、支援してまいります。さらに、新たに、地域おこし協力隊インターン制度にも取り組みます。
 市内県立高校の定員維持に向けて、必要な寄宿舎等の不足が喫緊の課題となっております。このため、市外・県外からの入学者のみならず、交通事情等で通学ができない生徒の住まいを確保するため、県立高校3校の男子共同寄宿舎を整備・運営してまいります。

 3. 協働のまちづくり

 3点目の、協働のまちづくりにつきましては、「浜田市協働のまちづくり推進計画」に定める取組を着実に進めるとともに、引き続き、地区まちづくり推進委員会の活動や設立支援に取り組んでまいります。
 地区まちづくり推進委員会の活動支援として、新たに草刈りや雪下ろしなどの高齢者の生活支援を行う際の経費を補助する「地域支え合い生活支援事業」の創設を考えております。
 まちづくりセンターにつきましては、「浜田市協働のまちづくり検討部会」での検討結果の報告を受け、令和6年度に今後の方向性を検討してまいります。
 また、地区まちづくり推進委員会の活動の事務負担を軽減するため、事務的支援を行う「地区サポーター」の設置を考えており、今後も、協働のまちづくりの推進に向け、地域の活動を支援してまいります。

 4. 三桜酒造跡地の活用、石見神楽伝承施設の整備、浜田郷土資料館の建替え整備

 4点目は、三桜酒造跡地の活用、石見神楽伝承施設の整備、浜田郷土資料館の建替え整備、についてであります。
 昨年12月の三桜酒造跡地公共活用検討委員会からの提言、また各文化団体等からの郷土資料館についての要望などを踏まえ、次の方針で進めることを考えております。
 三桜酒造跡地を取得した場合には、市民がくつろぎ、マルシェなどが開催できる「屋外広場」と、石見神楽や音楽イベントなどが開催できる「多目的ホール」を整備し、賑わいの場にしたいと思います。
 石見神楽は、浜田市の歴史・文化の重要な要素であり親和性も高いことから、多目的ホールを除いた「石見神楽伝承施設」は、建て替える「浜田郷土資料館」に併設を検討いたします。
 まずは、未検討である石見神楽関係の展示内容等について検討する必要がありますので、令和6年度には、専門委員会を立ち上げ、検討を始めたいと考えています。
 なお、併設した場合の施設の設置場所は、①三桜酒造跡地、②世界こども美術館の隣接地、③浜田城資料館の隣接地、の3か所を候補地として考えておりますが、今後、議会の意見も伺いながら検討いたします。

 その他の取組については、「第2次総合振興計画後期基本計画」の7つの「まちづくりの大綱」に沿って、「特に力を入れるべき施策」を中心に申し上げます。
 

1 活力のある産業を育て雇用をつくるまち

 大綱の1つ目「活力のある産業を育て雇用をつくるまち」につきましては、「水産業」、「農林業」、「観光」の3点の振興について申し上げます。

 1. 水産業の振興                              

 ①  地元漁船団の新船建造支援
 1点目は、水産業の振興であります。
 浜田漁港では、昨年3月、高度衛生管理型4号荷さばき所が竣工し、平成28年度から進めてまいりました漁港整備事業が完了いたしました。これにより、全国の消費者に向けて、安全・安心な浜田の水産物を提供する環境が整いました。その一方、浜田漁港の水揚げは、ここ数年、減少傾向が続いておりましたが、令和5年は約37億6千万円となり、前年より約2億6千万円の増額となりました。
 そうした中、沖合底びき網漁業の1船団が、当市で35年振りとなる新船建造を実現し、操業を開始されました。さらに1船団が国の事業を活用し、新船建造に取り組まれており、併せて県、市においても支援を行うことといたしました。残る2船団についても老朽化が進んでおります。新船建造には多額の投資が必要となりますので、国や県の支援を得ながら、地元漁船団の存続に向け、市としてもしっかり支援してまいります。
 ② 新船団の確保
 まき網漁業につきましては、令和3年3月から1船団のみでの操業が続いております。将来にわたって安定的な水揚げを維持するためには、地元まき網漁船団が少なくとも、あと1船団は必要であると考え、これまで市内外の様々な事業者に事業開始の働き掛けを行ってまいりました。
 現時点では、見込みは立っておりませんが、複数の事業者による共同会社の設立も含め、あらゆる手段を模索してまいります。具体的に事業者が決定した際は、多額の投資や船員の確保が必要となります。国や県、JFの支援を得ながら、市としてもしっかり応援してまいります。
 ③ 養殖事業の実現可能性調査
 令和5年4月、大手水産会社との間で養殖事業等の調査・研究に関する協定を締結し、現在、海の状況等の調査を行っていただいております。令和6年度も引き続いて必要な調査を行い、研究を進めていくこととされており、「養殖事業の可能性あり」との結果が出ることを期待しております。

 2. 農林業の振興

 2点目に、農林業の振興についてであります。
 本市では、昨年4月に県内初となる「オーガニックビレッジ宣言」を行い、有機農業の推進に力を入れております。
 昨年は、連携協定を締結した井関農機の協力を得て、有機米生産で課題となる除草対策に取り組みました。また、同じく協定を結んだ楽天農業では、今春から金城地域で作付けを開始される予定であります。
 令和6年度は、農地の確保や、設備投資への支援を行い、連携企業の協力を得て、有機農産物の生産拡大を進めてまいります。
 また、地元有機農産物の消費拡大や食育を進めるため、引き続き、学校給食で有機野菜・有機米を提供いたします。
 一方で、中山間地域の農業では、農家の高齢化、担い手不足が顕著であります。将来にわたり地域農業を維持するために「地域計画」を策定し、集落ぐるみでの農業生産活動や農用地保全の普及に努め、将来的な担い手の確保に取り組んでまいります。
 林業では、森林環境譲与税を活用した「伐って・使って・植えて・育てる」循環型林業を推進し、森林整備と森林資源の有効活用による地域林業の活性化に取り組んでまいります。

 3. 観光の振興

 ① 石見神楽を軸とした観光振興
 3点目に、観光の振興についてであります。
 観光では、「石見神楽」を軸として、「食」と「温泉」などの地域資源を生かした観光を推進いたします。
 昨年8月に行った江戸三大祭の一つ「深川八幡祭」における富岡八幡宮境内での石見神楽上演は、2,000人を超える方にご覧いただき、大盛況となりました。
 11月には、御堂筋ランウェイ2023に出演し、30万人の観衆を前に石見神楽を上演するなど、関東、関西方面での認知度向上に向けたプロモーション活動を展開しました。
 令和6年度は、2025年開幕の大阪関西万博を見据え、引き続き、石見神楽上演をはじめとしたプロモーション活動を行うとともに、今年度造成した「神楽産業を巡るツアー」などによりインバウンドを含む観光誘客を図ってまいります。
 ② 食の魅力向上や美肌観光の推進
 「食」の取組では、ぐるなびから派遣された地域活性化起業人と連携し、飲食店や生産者と協力し、食の魅力発信による観光誘客に努めてまいります。
 昨年の温泉総選挙で、美又温泉が「うる肌部門」全国第1位、旭温泉が「リフレッシュ部門」全国第2位となりました。このように多くの支持をいただいた「温泉」を生かし、島根県と連携しながら、更なる美肌観光に取り組んでまいります。

 4. その他 

 その他、アフターコロナを見据えた事業者支援、ふるさと寄附やBUY浜田運動の推進、販路拡大等による商工業の振興、国際貿易港浜田港の利用促進、企業立地による雇用確保などに取り組んでまいります。

 

2 健康でいきいきと暮らせるまち

 大綱の2つ目「健康でいきいきと暮らせるまち」につきましては、3点について申し上げます。

 1. 高齢者・障がい者福祉の充実

 1点目は、高齢者・障がい者福祉の充実についてであります。高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に向けた取組を推進するとともに、認知症支援施策の充実を図ります。
 敬老福祉乗車券につきましては、身体1級2級など該当する障害者手帳をお持ちの方に無料交付しております。さらに、令和4年度からは、該当の方については、69歳以下の方でも購入できる制度としました。今後、引き続き実施してまいります。

 2. 子どもを安心して産み育てる環境づくり  

 2点目に、子どもを安心して生み育てる環境づくりについて、であります。
 妊娠・出産・子育て支援につきましては、引き続き不妊治療費助成、妊産婦健診公費負担、産後ケア事業、乳児全戸訪問事業などに取り組みます。妊娠期から出産・子育て期まで身近な相談対応を行い、切れ目のない伴走型相談支援を充実し、安心して妊娠、出産できる環境づくりに努めてまいります。また、出産された際には、国の交付金を受けて支給する出産応援金に併せて、市の独自事業として、新生児子育て応援金の支給と紙おむつ廃棄用のごみ袋の無料配布を引き続き実施してまいります。
 「母子保健」と「児童福祉」との連携を、更に密に行うため、令和6年4月から、子ども・子育て支援課内に「こども家庭センター」を設置し、妊産婦や子育て世帯への相談支援体制を強化いたします。

 3. 市内医療体制の確保  

 3点目に、市内医療体制の確保についてであります。
 市内の医療体制は、令和5年5月の内科医院の閉院に続き、令和6年2月には、産婦人科医院が閉院されます。それぞれの医院におかれましては、長年にわたり地域医療を担っていただき、心から感謝申し上げます。さらに、令和5年度末には、浜田医療センターの眼科も閉鎖となります。
 こうした中、令和6年度は特に、婦人科診療を担っていただけるクリニックの開業支援制度の創設を予定しております。現在、市内医療機関において医師確保の目途が立ち、婦人科診療開始に向けた準備を進めていただいております。

 4. その他

 その他、「はまだ健康チャレンジ事業」の継続や、生活習慣病の予防に取り組んでまいります。

 

3 夢を持ち郷土を愛する人を育むまち

  大綱の3つ目「夢を持ち郷土を愛する人を育むまち」につきまして、浜田郷土資料館及び石見神楽伝承施設は、特に力を入れる施策の中で申し上げましたので、ここでは「サン・ビレッジ浜田の活用方針」について申し上げます。

 1. サン・ビレッジ浜田の活用方針 

 サン・ビレッジ浜田のアイススケート場については、存続を求める市長陳情を受け、市において利用者アンケートを実施し、外部委託による調査結果も踏まえ、教育委員会において方針案を整理してもらいました。その結果、屋内人工芝施設、又は体育館施設として機能転用を図り、若者や子育て世代を中心により多くの市民の皆さんに利用していただける施設として活用したいと考えております。
 今後、具体的な活用方法及び施設整備について、検討を進めてまいります。

 2. その他

 その他、令和6年度には、小中学校音楽教室を中心にエアコン設置のための設計や、令和7年度に浜田市で体操競技が開催される全国高等学校総合体育大会の準備に取り組みます。
 また、引き続き、学力の向上、ふるさと郷育の推進、市内高校の魅力化に取り組んでまいります。
 以上、教育について、重点的な取組を述べましたが、教育方針につきましては、後ほど教育長から申し述べます。

※ 教育方針は、後ろに掲載しています。

 

4 自然環境を守り活かすまち 

  大綱の4つ目「自然環境を守り活かすまち」につきましては、「カーボンニュートラルの推進」について申し上げます。

 1. カーボンニュートラルの推進

 令和4年9月に「浜田市ゼロカーボンシティ表明」を行い、令和6年1月には、2050年に浜田市のカーボンニュートラルを実現するための「浜田市地球温暖化対策実行計画」を改定いたしました。
 この計画では、まずは2030年までの温室効果ガスの削減目標を定め、それに向けた具体的な取組を示しております。今後は、この計画に基づき市民・事業者・行政が連携して、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入を図り、2050年のカーボンニュートラル実現を目指してまいります。

 2. その他

 その他、4R運動の推進、ごみ分別アプリを活用した減量化と分別の徹底、環境美化活動や住環境・自然環境の保全に取り組んでまいります。

 

5 生活基盤が整った快適に暮らせるまち

  大綱の5つ目「生活基盤が整った快適に暮らせるまち」につきましては、4点について申し上げます。

 1. 道路整備

 1点目は、道路整備であります。
 国道や県道につきましては、国や県への要望が実を結び、整備が進んでおります。山陰道では、三隅益田道路が予定通り令和7年度中に開通する見通しであります。浜田道の4車線化は、令和4年3月に大朝・旭インター間が事業化され、現在、調査・設計が進められております。早期完成に向け、引き続き国やNEXCO西日本に要望してまいります。
 市道等の機能維持と安全対策につきましては、「浜田市公共施設長寿命化等推進基金」を財源に、道路の修繕や橋梁の改修などを、引き続き計画的に実施してまいります。特に、通学路の安全対策は、「ふるさと応援基金」を財源に令和2年度から取り組んでおりますが、令和4年度に新設された国の補助金も活用し、引き続き整備を進めてまいります。
 君市踏切の移設・南北道路整備につきましては、現在、道路工事及びJR施設工事が行われております。令和6年度末には供用開始ができるよう、引き続き工事を進めてまいります。

 2. 地域情報化とマイナンバーカードの推進

 2点目に、地域情報化とマイナンバーカードの推進についてであります。
 地域情報化では、企業や団体などが、市内で開催するイベント情報をインターネット上において気軽に発信でき、市民をはじめ、観光客などが閲覧できるような仕組づくりに取り組みます。
 また、現在、ケーブルテレビ回線の光化工事に、民間事業者と連携して取り組んでおります。ケーブルテレビが閉局した三隅地域の光化工事は既に完了いたしましたが、三隅地域を除く市内全地域につきましては、令和6年度中を目途に、順次、宅内への切替工事を進めてまいります。
 マイナンバーカードの本市の保有率は12月末現在、79.2%であり、県内8市の中でトップであります。本年12月には現在の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードと一体の「マイナ保険証」への移行が予定されており、国の方針に従いながら、スムーズに移行が進むよう周知等に取り組んでまいります。
 行政のデジタル化につきましては、情報システム標準化の期限が「令和7年度」とされており、期限内実施に向け取り組んでまいります。

 3. 下水道整備事業

 3点目に、下水道整備事業についてであります。
 浜田駅周辺を含む浜田処理区につきましては、令和8年度の処理場稼働を目指し、公民連携により事業を進めております。
 管路工事については、令和9年度完成を目指して進めており、処理場建設工事については、令和6年度に設計業務を行い、順次工事着手してまいります。

 4. 公共交通の充実

 4点目の、公共交通の充実につきましては、令和5年度に地域公共交通施策の総合的な見直しを行いました。これを踏まえて、令和6年3月に策定する「浜田市地域公共交通計画」に基づき、取り組んでまいります。
 好評をいただいております「敬老福祉乗車券交付事業」は利用可能枚数を拡大し、継続実施することといたしました。また、「あいのりタクシー等運行支援事業」につきましても更なる普及を図り、高齢者等の皆さんが利用しやすいよう改善を図ってまいります。
 石見交通が路線廃止を決定しました有福線については、令和6年4月から市生活路線バスとして運行することとしており、沿線住民の皆さんへの影響が最小限となるよう努めてまいります。

 5. その他

 その他、引き続き、上水道の基幹管路の耐震化などに取り組んでまいります。

 

6 安全で安心して暮らせるまち

 大綱の6つ目「安全で安心して暮らせるまち」につきましては、3点について申し上げます。

 1. 周布橋の架け替え工事

 1点目は、周布橋の架け替え工事についてであります。
 令和3年8月豪雨で被災した周布橋につきましては、現在、新しい橋梁の下部工事を進めております。引き続き工事を進め、令和7年12月末までの供用開始を目指します。

 2. 周布川西側への新避難所の設置

 2点目に、周布川西側への新避難所設置についてであります。
 周布川周辺に避難指示等を発令する際、周布川西側の住民の皆さんが迅速かつ安全に避難できる防災拠点として、令和5年度に「周布川西コミュニティー防災センター」の整備に着手しました。本年の出水期までには供用開始できるよう、工事を進めます。 

 3. 米軍機騒音問題

 3点目の、米軍機騒音問題につきましては、再び騒音が増加しており、引き続き島根県や関係市町と共同で、外務省・防衛省に飛行訓練の中止及び対策強化の申し入れを行います。

 4. その他 

 その他、河川の浸水想定区域等の見直しを反映したハザードマップを作成し、全世帯へ配布するとともに、消防による応急手当指導や消火訓練にも取り組みます。

 

7 協働による持続可能なまち

 大綱の7つ目、「協働による持続可能なまち」につきましては、4点について申し上げます。

 1. まちなか交流プラザの活用

 1点目は、「まちなか交流プラザ」の活用についてであります。令和5年7月のオープン以降、高校生や大学生などの若者をはじめ多くの市民に利用いただいております。また、「はまだ未来アトリエ」として、島根県立大学のゼミ活動や市民講座にも活用いただき、大学と地域がつながる「場」となっております。
 引き続き、浜田商工会議所や「はまだ協働学舎ファンタス」と連携し、若者から高齢者まで世代を超えた多様な市民の交流の場となるよう、取り組んでまいります。

 2. (仮称)長沢サブセンターの整備

 2点目の「(仮称)長沢サブセンター」につきましては、キヌヤ長澤店の土地を一部取得し整備いたします。令和5年度から設計業務に着手しており、設計業務が完了する令和6年度に外構工事に着手し、令和7年度末の供用開始を目指します。

 3. 島根県立大学との連携

 3点目に、島根県立大学との連携についてであります。
 令和3年度の学部再編により国際関係学部と地域政策学部が設置されました。大学では、これまで以上に積極的に地域やまちづくり活動団体との交流、本市の課題解決に向けた共同研究事業などに取り組んでおられます。また、市内の他の高等教育機関を含めた新入生に対する浜田探索ツアーなどの取組を引き続き実施し、教員や学生の活動を支援してまいります。

 4. 人権尊重のまちづくり

 4点目の、人権尊重のまちづくりにつきましては、令和5年度に制定しました「浜田市人権を尊重するまちづくり条例」の基本理念の普及・啓発に努め、市民及び事業者の皆さんと一緒に推進してまいります。
 また、「浜田市人権教育・啓発基本計画」に基づき、一人ひとりの生き方や考え方を認め合い、尊重される社会の実現に引き続き取り組んでまいります。

 5. その他

 その他、男女共同参画社会の実現に向けて「浜田市男女共同参画推進計画」に基づき、引き続き取り組んでまいります。
 また、定住促進に向けた相談対応、空き家の有効活用、地域と多様に関わる関係人口との連携を図ってまいります。

 以上、7つの「まちづくりの大綱」に沿って、令和6年度に取り組む施策を中心に説明いたしました。

 

各地域で力を入れること

 次に、地域ごとに、令和6年度に最も力を入れる施策について申し上げます。 

 1. 金城地域 

 金城地域におきましては、美又温泉での「外湯を兼ねた日帰り温泉施設の整備」について、令和6年度は、施設の詳細設計に着手いたします。
 美又温泉は、昔から「美肌の湯」として知られており、温泉総選挙2023うる肌部門では、2年振りに第1位に返り咲くなど、多くの温泉ファンから支持を頂戴しております。
 今後も泉質の良さをアピールし、美容・美肌に興味のある女性や、お肌に悩みを抱える方などをターゲットとして、誘客を図ってまいります。
 また、民間施設が行っている魅力化向上のための改修や、新たな宿泊プランや美肌食メニューの開発を支援し、交流人口の拡大に取り組んでまいります。

 2. 旭地域

 旭地域では、山ノ内梨園の利活用に取り組んでまいります。山ノ内梨園空き圃場につきましては、昨年、島根県、JAしまね、生産者などの関係者で、今後の利活用の方向性を検討いたしました。
 その結果、市の振興作物である「有機野菜」の露地栽培に取り組むことといたしました。まずは、山ノ内梨園への参入を検討する企業等との条件面の整備を図り、耕作可能な圃場から取り組んでまいります。そして、梨園以外でも空き農地の利活用が期待できることから、利用可能な農地の掘り起こしも進めてまいります。
 なお、山ノ内梨園の赤梨の栽培については、振興作物の産地を維持するため、赤梨生産者の担い手確保と事業継承支援などに、並行し取り組んでまいります。

 3. 弥栄地域

 弥栄地域につきましては、再開したふるさと体験村の運営支援に力を入れてまいります。
 ふるさと体験村は、平成30年10月から休業しておりましたが、令和5年4月28日に地元のまちづくり団体である「弥栄のみらい創造会議」が指定管理者となり運営を再開しました。
 再開後、徐々に利用者が増えておりますが、宿泊者数や体験交流は目標の数値を下回っております。
 宿泊者数を増やすためには、宿泊につながる魅力的な体験プログラムが必要と考えております。弥栄地域の主産業である農業や関連する伝統・文化、有機農業に着目した体験型プログラムなどに、地元住民の皆さんと一緒になって取り組みます。
 なお、利用者から要望のある案内看板については、県道、市道の計4か所に設置を計画しており、施設へのスムーズな誘導と集客に取り組みます。

 4. 三隅地域

 三隅地域では、リハビリテーションカレッジ島根、通称「リハカレ」の経営改善を引き続き支援してまいります。
 リハカレは、少子化の進展と他校との競争激化などで学生数が減少し、大変厳しい経営環境にあります。
 学生の確保に向けた取組では、大手学校法人からの経営指導に加え、令和5年度に高等教育無償化の対象校に認定されたことや留学生をターゲットとした積極的な広報活動により、少しずつですが効果が見え始めています。
 リハカレは、地域のサロンや介護保険事業所などで介護予防の指導などを行っていただいているほか、学生が地域住民と交流し地域の課題解決に取り組むなど、三隅地域に貢献する学校として本市にとって大切な存在であります。今後とも必要な支援を行ってまいります。

 

令和6年度予算

 令和6年度予算(案)についてであります。
 ハード面では、周布橋及び谷口橋の架け替えやケーブルテレビの光回線化に係る宅内引込工事などのインフラ整備を引き続き行います。また、新たに小中学校の音楽教室など特別教室へのエアコン整備や、市道等における防護柵の緊急対策工事を3か年計画で実施するとともに、次期防災情報システムの整備や美又地域の外湯整備に着手いたします。
 ソフト面では、婦人科診療開設等にかかる支援や、市内のイベント情報発信強化、草刈りや雪下ろしなど地域との協働による高齢者の生活支援などに取り組んでまいります。
 こうしたことから、一般会計の予算規模は391億4,268万円、令和5年度当初予算と比較した場合、エコクリーンセンター基幹改良工事による広域行政組合負担金の大幅増に伴い、金額で17億5,268万円の増、率にして4.7%の増となります。
 また、引き続き財政健全化にも取り組んでまいります。令和6年度も、約8億円の繰上償還を予定しており、実質公債費比率、将来負担比率の県内トップクラスを堅持する計画であります。

 

 最後に 

 以上、令和6年度の施策について申し上げました。
 市長として3期目の任期の折り返しを過ぎたところであり、本年は、「元気な浜田づくり」のための各種施策の仕上げに向けて取り組んでまいります。
 引き続き、最大の課題である少子化・人口減少への対応に取り組むとともに、本市にとって必要な事業には、国や県の支援や過疎債、ふるさと寄附などを活用し、健全な財政運営に努めながら、積極的に取り組んでまいります。
 議員各位におかれましても、一層のご理解、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

 

令和6年度教育方針

 私は、市長の施政方針を受け、教育委員会を代表して、令和6年度の教育方針を申し述べ、皆さまのご理解をいただきたいと思います。

 教育長

教育方針を表明する岡田泰宏 教育長

はじめに   

 昨年4月、こども家庭庁の創設と同時にこども基本法が施行されました。子どもを真ん中において、子どもの人権を大切にして、健やかな育ちを社会全体で支えようという理念が明確になりました。
 私たち大人は、「子育て」ではなく、「子育ち」という子ども主体の成長に大人が伴走していく意識改革を進めながら、学校・家庭・地域の教育力を結集していくことが大切と考えています。

 「地域の子どもは地域で育てる」という考え方のもとに、学校は保護者や地域としっかりつながって思いを共有していきます。さらには、学校が介さずとも、地域と子ども、地域と家庭がつながりあって、子どもたちが様々な体験ができるような仕組みを作っていきたいと考えています。
 学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる仕組みのひとつとして、令和7年度からの小中学校のコミュニティスクール化を目指してまいります。
 学校と地域の協働活動がより深まっていくことは、島根の教育の柱である「ふるさと教育」の充実にも通じていきます。本市は、これからもふるさと教育の理念を大切にして、子どもたちの郷土愛を育んでまいります。

 また、児童生徒が安心して通える学校となるよう、音楽室を中心にしたエアコンの設置や、不登校児童生徒がほっとできる居場所の校内設置など、教育環境の整備にも取り組みます。
 さらには、急激に少子化が進む中で、児童生徒にとってより良い教育環境を求めて、将来的な小中学校の適正配置に向けた検討も始めなければならないと考えています。

 一方で、教職員は本当に多忙で教員不足も深刻な問題です。昨年12月に、島根県と県内市町村の教育長が連名で、教職員の働き方改革に関する共同メッセージを公表いたしました。教員が授業改善や生徒指導に関わる時間を生み出すためにも、また、教員を目指す若者を増やしていくためにも、教職員の働き方改革に全力で取り組みますので、保護者や地域の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。
 さらに、社会的弱者である子どもの人権に目を向けることは、すべての人権意識の向上にもつながるものと考えます。子どもの人権をキーワードにして、様々な偏見や差別のない社会を目指して、人権教育や人権啓発に取り組んでまいります。
 また、学校では、「お互いを大切にし、相手の気持ちを考えて、人が嫌がることは絶対にしません、言いません」という意識の浸透を図り、いじめのない学校づくりを目指してまいります。

 さて、本市は、令和7年のインターハイの体操競技大会や、令和12年の国民スポーツ大会島根県大会の複数の競技会場となります。こうした大会に向けて、競技力の向上にあわせてスポーツ振興を図りたいと考えています。
 また、石州半紙、石見神楽、北前船寄港地の3つの国の文化財や文化遺産を有する希少な自治体として、これらの保存と活用に努めるとともに、文化芸術活動のさらなる充実を図ってまいります。
 このため、老朽化している文化・スポーツ施設の整備にも取り組みます。

 以上のことを踏まえ、幼児教育、学校教育、社会教育とつながる生涯学習全般の中で、今年度、特に力を入れたい具体的な施策を教育振興計画の5つの柱ごとに申し述べます。

 

 1. 学校教育の充実

 まず、「学校教育の充実」についてであります。
 学力育成対策は、児童生徒自らが学びに向かう力の育成を図りながら、国語教育を要としつつ、理数教育の充実にも努めてまいります。
 具体的には、「協調学習」や「図書館活用教育」を柱としつつ、読解力育成のための「要約学習」にも取り組みます。理数教育については、小中学校の算数・数学の研究校を増やすとともに、理科教育設備整備費補助金を活用して小学校備品等を整備し、引き続き外部講師による小学校科学教室を開催いたします。
 併せて、ICT機器を活用した授業についても、研修機会の確保や授業改善の取組を広げるなど、授業の質を一層高めてまいります。
 さらに、指導主事等の学校訪問により、組織的な授業改善や校内研修を支援するとともに、授業構想段階から現場の教員と一緒になって「子どもの声でつくる授業」を推進してまいります。

 教職員の働き方改革への支援として、近隣自治体と共同で導入した校務支援システムを本格稼働いたします。
 また、部活動の地域移行については、子どもたちの声も大切にしながら、複数の学校による合同部活動や顧問に代わって指導ができる「部活動指導員」の拡充などに取り組み、部活動顧問の負担軽減を図ってまいります。
 併せて、学校と地域の連携・協働を更に推進していくため、コミュニティスクールの具体的な仕組みや体制の検討を進め、保護者や地域住民等が学校運営に必要な支援について協議する場である「学校運営協議会」の令和7年度の設置を目指したいと考えています。

 特別支援教育については、一人一人の実態や特性を丁寧に把握し、持てる力を充分に発揮できるよう、教員等の資質向上のため、関係機関との連携や、相談体制の充実などに努めてまいります。
 不登校傾向及び不登校児童生徒への対応については、不登校児童生徒が増加する中、文部科学省では「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLO(ココロ)プラン)をとりまとめられました。
 本市においても、試行的に「校内フリースクール教室」を設置し、学校や教室に入りにくい児童生徒が安心して過ごせる居場所を整え、自分のペースで学びが進められるよう支援を行ってまいります。

 児童生徒の学校給食については、令和5年度に学校給食費を値上げしましたが、保護者の負担を軽減するために激変緩和措置を行いました。令和6年度についても激変緩和措置を実施いたします。
 また、学校給食における地元有機農産物の利用についても、地元農家や関係機関とも連携しながら取り組んでまいります。

 小中学校の適正配置については、令和5年度末に雲雀丘小学校と第四中学校の2校が閉校となり、それぞれ原井小学校と第三中学校へ統合となります。
 閉校となる学校の児童生徒が安全に統合先の学校へ通学できるよう、保護者や地域の協力を得ながら、新たにスクールバスを運行いたします。
 また、石見交通「有福線」が令和5年度末で廃止になりますので、利用している浜田東中学校の生徒の通学手段を確保するため、スクールバスを運行いたします。
 美川小学校の建替えについては、令和7年度の工事着工に向け、学校・保護者・地域の皆さんとよく話し合い、地域に開かれた学校の実施設計を円滑に進めてまいります。

 学校施設の整備については、老朽化した施設の改修を進め、施設の長寿命化を図るとともに、子どもたちが安全かつ安心して学べる教育環境の改善に取り組みます。
 また、旭地域で米軍機等の飛行訓練による騒音被害が発生しており、生徒の学習にも支障が出ていることから、旭中学校の防音工事に向けて、国と調整してまいります。
 併せて、小中学校の暑さ対策として特別教室へのエアコン設置に取り組み、まずは学校から要望の多かった音楽室を中心に設計を行います。

 高等学校については、HAMADA教育魅力化コンソーシアムの活動を通じて、学校と地域が連携した教育活動や高校生が主体的に行う地域活動を支援してまいります。
 具体的には、高校生と地域団体等をつなぐ「地域協働活動マッチングシステム」の活用や、高校生が主体的に探究活動を行う「地域系部活動」の取組などを通じて、人づくりと地域活性化の好循環につなげたいと考えています。
 一方で、市内県立高校3校は、少子化等の影響で定員確保に苦慮する状況が続いており、このままでは学級数の減少や学校統合が進み、地域の教育力の低下が危惧されます。
 このため、市内県立高校3校の定員維持に向けて、県立高校3校の男子共同寄宿舎を整備・運営してまいります。

 幼児教育の充実については、昨年4月に開設した浜田市幼児教育センター及び幼児通級教室といった新たな機能が軌道に乗るよう取り組みます。
 また、浜田幼稚園では、新たに夏季休業期間中の預かり保育を実施し、サービスの充実に努めてまいります。

 2. 家庭教育支援の推進

 次に「家庭教育支援の推進」についてであります。
 家庭教育支援については、乳幼児の子を持つ親の学びの場や親同士の交流機会の提供等を目的とした「浜田親子共育応援プログラム(HOOP!)」や、各まちづくりセンターを中心に行っている親子を対象とした体験活動などを通して、地域ぐるみで家庭教育を支援する環境づくりに努めてまいりました。
 引き続き、これらの事業を活用し、親自身の学びに加え、親同士の関係づくりや親子の絆づくり、地域全体での家庭教育支援が進むよう取り組みます。
 引きこもりの子どもや若者の社会参加・自立支援については、青少年サポートセンターや各関係機関と連携を図りながら、本人や家族の困り感を丁寧に聴くことに重点を置いた相談対応、居場所の確保、いろいろな体験教室の充実などを行ってまいります。

 3. 社会教育の推進 

 次に「社会教育の推進」についてであります。
 まちづくりセンターを拠点に、社会教育を基盤とした人づくり、まちづくりを推進するため、地域のまちづくり団体と連携した実践活動が進むよう取り組むとともに、センター職員のスキルアップのため、社会教育士の取得を進めます。
 また、「はまだっ子共育推進事業」については、引き続き学校と地域が目指す子ども像や地域のビジョン等を共有しながら、地域を担う人づくりに取り組みます。
 この取組を進めるためには、学校と地域が一体となってお互いの役割を認識し、共通の目標に向かい対等な立場で活動することが必要です。
 そのため、「はまだっ子共育推進事業」を推進する体制について、小中学校に設置する予定の学校運営協議会との連携・協働のあり方を検討します。

 「図書館」については、「第3次浜田市子ども読書活動推進計画」に基づき家庭、地域、学校等と連携した取組を進めるほか、ふるさと応援基金を活用し子育て世代や若者向けの蔵書を拡充するなど、読書環境の充実に努めるとともに、郷土資料等の整理を進め、公開に向けて準備してまいります。

 4. 生涯スポーツの振興

 次に、「生涯スポーツの振興」についてであります。
 令和7年のインターハイにおいて、本市は体操競技の開催地に選定されています。開催前年となる本年は、実行委員会を設立し、全国から集まる選手等多くの方に満足いただける大会となるよう準備を進めてまいります。
 また、令和12年には、第84回国民スポーツ大会が島根県を会場に開催される予定で、本市は6競技の会場に選定されています。今後、浜田市体育協会や各競技団体と連携を深め、選手や指導者の育成及び競技の普及、そして円滑な運営ができるよう準備を進めてまいります。
 スポーツ施設の整備については、老朽化した施設の改修を順次進めてまいります。特に、旭公園市民体育館の屋根改修、ラ・ペアーレ浜田の外壁保護工事、今福スポーツ広場グラウンドゴルフ場の休憩所・屋外トイレの設置、浜田市陸上競技場の写真判定装置の更新を行い、安全で快適に競技できるよう整備いたします。
 また、「浜田市スポーツ施設再配置・整備計画」に基づき、スポーツ施設のあり方について整理・検討を行います。
 特に、サン・ビレッジ浜田のアイススケート場については、利用者アンケートや外部委託による調査結果を踏まえ、1年を通じて多様なスポーツ種目・レクリエーションなどに対応できる屋内人工芝施設もしくは体育館施設として機能転用を図りたいと考えています。
 今後、若者や子育て世代を中心により多くの方が利用できる施設となるよう、具体的な活用方法及び施設整備について検討を進めてまいります。

 5. 歴史文化の伝承と創造

 次に、「歴史文化の伝承と創造」についてであります。
 芸術文化の振興については、引き続き、市内の二つの美術館や石央文化ホールを活用して、市民の皆さんが芸術文化に触れる機会を提供するとともに、子どもたちの創造性を育む活動に取り組みます。
 学校においても、音楽家を招いたスクールコンサートを開催するなど、子どもたちが芸術文化に触れる機会を提供いたします。
 また、浜田市文化協会など市民が主体となった文化活動を支援してまいります。
 なお、令和6年度は、浜田市名誉市民である故橋本明治画伯の生誕120周年記念展を開催するほか、故山﨑修二画伯の御遺族から寄贈される予定の貴重な絵画について、適切な環境での収蔵を行います。
 
 芸術文化施設の整備については、老朽化した施設の改修を進めるため、石央文化ホールの外壁調査業務に取り組みます。
 文化財については、地域における様々な文化財の保存活用を計画的に促進するため、令和4年度から取り組んできた浜田市文化財保存活用地域計画を策定いたします。
 また、昨年7月には石見神楽蛇胴製作技術を市の無形文化財に指定しましたが、引き続き、面や衣装など石見神楽を支える伝統技術の文化財指定に向けた調査に取り組みます。
 併せて、市誌編纂についても、専門家の意見を伺いながら、基本計画の策定に向けて取り組んでまいります。
 浜田郷土資料館の建替えについては、整備費や運営費の縮減と相乗効果を考えて、他の施設との複合化や併設を基本に検討を進めております。
 今後は、保有している郷土資料の整理も行いながら、「地域の博物館」として活用してもらえる施設を目指してまいります。
 なお、展示方法や活用方法などについては、これまで専門検討委員会でまとめていただいた内容を踏まえつつ、石見神楽伝承施設との関係性についても整理したいと考えております。

 最後に 
 

 以上、令和6年度の教育方針について申し述べました。
 教育委員会は、これらの方針、施策を実現していくために、市長部局との連携を密にして、学校や家庭、地域の理解と協力を得て取り組んでまいります。
 議員並びに市民の皆さんの、一層のご支援ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

 

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