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令和5年度教育方針

 

令和5年度教育方針

 私は、市長の施政方針を受け、教育委員会を代表して、令和5年度の教育方針を申し述べ、皆さまのご理解をいただきたいと思います。 

 

 

はじめに  

 近年、人口減少、気候変動、AIやIoTなどの技術革新に加え、世界の協調と平和を脅かす戦争や新型コロナウイルス感染症の流行により、また、ダイバーシティと言われる多様性の到来により、社会を取り巻く環境は大きく変化しています。子どもたちはこうした複雑な社会を逞しく生きていかなければなりません。

 このような状況の中、学校教育にも大きな変革が求められています。多くの教育課題と向き合っていくには、学校の対応だけでは限界があり、浜田の大切な宝である子どもたちの育ちを見守るために、学校・家庭・地域が持っているそれぞれの教育力をバランスよく機能させていくことが重要と考えています。これは、子どもの成長だけに限らず、周りの大人も成長する共育の考え方にも通じていきます。

 教育委員会としては、一人ひとりの進路保障の考え方に基づいた「学力向上」と「地域とともに子どもたちを育む教育活動」に力を入れてまいります。ここで言う「学力」とは、机上の知識だけでなく、生きる力全般のことを指します。
 イギリスの哲学者(政治家)のフランシス・ベーコンは、「知は力なり」という名言を残しています。単に覚えた知識が力になるという意味ではなく、「物事を実際に試すこと、実際に経験することで得た知識こそが力になる」という考え方です。「経験論」に基づくこの考え方を、学校現場だけでなく家庭や地域ともしっかり共有していきたいと考えています。

 子どもたちが地域に出て、地域貢献の意識を持ってできることを実践し、達成感や認められる経験の中で自己有用感を磨かせたいと思います。
 また、子どもの教育のお手本は身近にいる家庭の人で、子どもたちは、周りの大人のことをよく見ています。そして自らを認めてほしいという思いを持っています。家庭でも地域でも子どもの人権を尊重しながら寄り添っていくことが大切と考えています。

 これからの教育は、子どもが主体的に自己決定し自走する未来を描くことが重要で、学校も引き続き「教える場」から「学ぶ場」に変わっていく努力をしてまいります。

 学校の教育力の向上のためには、授業改善が欠かせません。そのためには教職員が教材や児童生徒に向き合う時間の確保が必要なため、教職員の働き方改革に本気で取り組んでまいります。働き方改革は労働環境改善のためだけでなく、ひいては不足している教職員確保にも通じ、これらにより生まれた教職員の余力が児童生徒に還元され教育力の充実に結び付いていくということを、保護者や地域の方にもご理解いただきたいと思います。

 一方、社会教育においては、市民の皆さんが心身ともに健康で心豊かな生活を送れるように、健康寿命の延伸につながるように、生涯スポーツや文化・芸術活動の振興と支援に取り組んでまいります。また、ふるさとの歴史や文化を愛する心の醸成につなげてまいります。

 以上のことを踏まえて、「学校教育の充実」、「家庭教育支援の推進」、「社会教育の推進」、「生涯スポーツの振興」、「歴史文化の伝承と創造」の5つの項目について、新たな取組を中心に申し述べます。
 

 1. 学校教育の充実

 まず、「学校教育の充実」についてであります。
 学力育成対策は、児童生徒自らが学びに向かう力の育成を図りながら、国語教育を要としつつ、理数教育の充実にも努めてまいります。
 具体的には、引き続き「協調学習」や「図書館活用教育」を柱としつつ、理数教育については、小学校の算数の取組を強化してまいります。また、新たな事業として、児童生徒が理科の観察や実験に楽しく取り組みながら問題解決の力を付けていくことができるように、理科教育設備整備費補助金による備品等の整備を行うとともに、外部講師による小学校科学教室の開催にも取り組む考えです。
 併せて、ICT機器を活用した授業についても、研修の機会の確保や指定校の取組を広げるなど、授業の質を高めてまいります。
 さらに、指導主事等の学校訪問により、学校としての組織的な授業改善や校内研究を支援するとともに、授業構想段階から学校現場の教員と一緒になって「子どもの声でつくる授業」を目指してまいります。

 教職員の働き方改革への支援として、校務支援システムを導入し、教職員の校務負担を軽減してまいります。浜田・江津・大田・川本・美郷・邑南の三市三町の自治体と共同してシステムを導入することで教職員の異動時における負担や導入経費も軽減してまいります。
 また、休日における部活動の地域移行については、国のガイドラインを踏まえ、可能な限り早期の実現を目指すこととし、顧問に代わって指導ができる「部活動指導員」の配置等に取り組みます。

 次に、「ふるさと郷育」についてであります。
 「ふるさと郷育」は、故郷を愛し、いつかは故郷の役に立ちたいと考える子どもたちを育むために欠かせない教育です。
 本市では、これまで幼稚園や小・中学校を中心に、地域の協力を得て、自然体験活動や海洋教育などに取り組んでまいりました。令和4年度からは、HAMADA教育魅力化コンソーシアムを通じて、高等学校と地域が連携した教育活動や高校生の主体的な地域活動への参画を支援し、幼少期から高校まで切れ目のない取組へと広がってきています。
 今後は、学校と地域の協働活動をさらに深めて、学校で学んだことを地域活動に活かせるよう働きかけるなど、「ふるさと郷育」を学校から家庭、地域へと広げてまいります。

 不登校傾向及び不登校児童生徒への対応については、引き続き教育支援センター「山びこ学級」における学習支援や福祉・医療などの関係機関との連携、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等を活用した相談支援などに取り組みます。
 山びこ学級ではオンライン授業の可能性も研究し、機能強化を図ってまいります。
 また、「浜田市いじめ防止基本方針」の下、アンケートQU等を活用し、いじめの未然防止や早期発見のための集団作りやいじめを認知した場合の組織対応など、各校が適切かつ迅速に対応できるよう指導・支援を行ってまいります。

 児童生徒の学校給食については、全国的な原油価格・物価高騰により、給食の食材料費も高騰するなかで、令和5年度から学校給食費の値上げを予定しています。 
 学校給食費の急激な増加による保護者の負担を軽減するために、給食費の値上げ分に対する激変緩和措置を計画しています。
 また、「オーガニックビレッジ宣言」に関連して、学校給食での地元有機農産物の一層の利用や食育活動を推進してまいります。

 小中学校の適正配置については、令和4年度に策定した「浜田市立小中学校統合再編計画」に基づき、美川小学校の建替えに着手いたします。また令和5年度末に雲雀丘小学校と第四中学校の2校が閉校となります。学校や保護者はもちろんのこと、地域の皆さんとも連携し、円滑な学校統合を果たせるよう準備を進め、閉校記念事業への支援や統合先へ通学するためのスクールバスの購入等も行ってまいります。

 学校施設の老朽化に対する緊急対策については、令和3年度から始めた3年間の集中期間の最終年度になりますが、さらに充実した学校施設となるよう令和6年度から3年間の事業の延長を行い、計画的に児童生徒の安全安心な学校環境の整備に取り組みます。
 また、小中学校のトイレの洋式化については、令和4年度に14校、123基を設置しましたが、設置率75%程度まで引き上げることを目標とした整備計画を立てており、目標達成に向けて引き続き取り組みます。
 併せて、小中学校の暑さ対策として取り組む特別教室へのエアコン設置については、優先順位等を勘案した整備計画の策定に努めてまいります。
 最後に、学校施設等に設置されていました小型焼却炉については、ダイオキシン等の分析調査が終了しましたので、速やかにすべての焼却炉を撤去いたします。

 幼児教育の充実については、公立幼稚園4園を統合し、新たに浜田幼稚園が開園します。浜田幼稚園には、市全体の幼児教育の質の向上に向けた先導的な役割を担う「浜田市幼児教育センター」や、特別な配慮を必要とする幼児の支援を行う「幼児通級教室」を設置し、その円滑な運営に向けて取り組んでまいります。
 

 2. 家庭教育支援の推進

 次に「家庭教育支援の推進」についてであります。
 家庭教育支援については、「HOOP!浜田親子共育応援プログラム」により、乳幼児の子を持つ親への学びの場の提供や親同士の交流等、地域ぐるみで家庭教育を支援する環境づくりに努めてまいりました。
 昨年は、コロナ禍にあって十分な活動ができておりませんので、改めてファシリテーター等の人材確保やスキルアップ研修、学校等への啓発活動に取り組んでまいります。
 引きこもりの子どもや若者の社会参加・自立支援については、自宅の外に気軽に立ち寄れて、ひとりではないということが実感できる居場所をつくることが何よりも大切と考えています。
 青少年サポートセンターがそうした役割を担えるように、いろいろな体験活動や学習支援の提供に努めてまいります。併せて、一人ひとりの気持ちや思いに寄り添った相談対応を行って、自立に向けた支援につなげてまいります。

 3. 社会教育の推進 

 次に「社会教育の推進」についてであります。
 社会教育を基盤とした人づくり、まちづくりを推進するために、まちづくりセンターと地域のまちづくり活動団体が連携した実践活動が一層進むよう、センター職員のスキルアップを目指して、社会教育士の取得を進めてまいります。
 また、「はまだっ子共育推進事業」については、「地域学校協働活動」、「地域子ども活動」、「家庭教育支援活動」の3つの柱を軸に、学校と地域が、目指す子ども像や地域像等のビジョンを共有しながら引き続き地域を担う人づくりに取り組んでまいります。
 
 「図書館」については、「第3次浜田市子ども読書活動推進計画」に基づき、家庭、地域、学校等と連携した取組を進めてまいります。
 特に「家読」は、家庭での読書を通じて、家族の絆を深め、豊かな心を育むことを目的としていますので、家庭ごとに自由な方法で取り組むことが重要と考えています。出産前から家読を勧めるとともに、様々な機会に読み聞かせやイベントを行うなど、関係機関で力を合わせて家読の推奨を行います。
 また、令和5年度は、浜田市立中央図書館と三隅図書館が新築開館してから10周年の節目となります。ボランティア団体と協力しながら、より多くの市民の皆さんに楽しんでいただける図書館となるよう努めてまいります。
 さらに、郷土資料等の整理や子育て世代・若者向けの蔵書の充実を図ることで、市民の皆さんのニーズに応えられるよう努めてまいります。

 4. 生涯スポーツの振興

 次に、「生涯スポーツの振興」についてであります。
 令和12年に、第84回国民スポーツ大会が島根県を会場に開催される予定であります。本市ではサッカー、ビーチバレーボール、体操、トランポリン、ゴルフ、そして軟式野球の6つが競技会場に選定されました。複数の競技が開催されることから、運営体制や環境整備について十分な検討が必要となります。浜田市体育協会及び各競技団体と連携を深め、選手や指導者の育成及び競技の普及、そして円滑な運営ができるよう準備を進めてまいります。
 また、令和5年度は新たにエキスパート指導者を招聘する事業に取り組みます。元プロ野球選手で日本代表のコーチ経験のある方をエキスパート指導者として招聘し、市内で活動する中学校部活動やスポーツ少年団等を対象に指導を行っていただき、浜田市から全国にはばたく選手の育成に取り組みます。
 スポーツ施設の整備については、浜田市陸上競技場を公認競技会の開催が可能な第4種公認陸上競技場の要件を維持するための改修工事や、体育館施設の照明のLED化を行ってまいります。
 また、「浜田市スポーツ施設再配置・整備計画」に基づき、内容のローリングを行いながら、スポーツ施設の在り方について整理・検討を行いますが、サン・ビレッジ浜田のアイススケート場については、外部委託などにより調査を行い、施設の方針について検討してまいります。

 5. 歴史文化の伝承と創造

 次に、「歴史文化の伝承と創造」についてであります。
 芸術文化の振興については、市民の芸術文化活動の活性化を図るため、浜田市美術展や全国の美術大学生を対象とした石本正日本画大賞展を開催し、芸術文化に触れる機会を提供してまいります。
 小中学生に優れた芸術に触れる機会を提供するスクールコンサートについては、令和4年度から実施方法を変更し、学校からも好評を得た一般社団法人石見音楽文化振興会と、連携して取り組んでまいります。
 芸術文化施設の整備については、世界こども美術館の外壁改修・屋上防水工事や、石正美術館旧館の空調機器の更新を行ってまいります。

 文化財については、地域における様々な文化財の保存活用を計画的に促進するため、文化財保存活用地域計画の作成に引き続き取り組んでまいります。
 現在、各地域の文化財情報の把握を行っています。これまでの市町村誌やまちづくりセンターが作成した地図や資料をもとにリストを作り、地域の方へのアンケートを順次行いながら進めてまいります。
 また、市内に残る指定文化財をはじめとした貴重な文化財を守るための取組を行うとともに、石見神楽関係などの文化財指定に向けて引き続き取り組みます。文化財審議会委員の意見を聴きながら調査を実施し、将来に向けて文化財を伝え残せるよう努めてまいります。

 浜田郷土資料館の建替え整備については、施設の現状を知っていただくための見学会などを引き続き開催し、若い世代の方々を含め、市民の皆さんのご意見をお聞きしながら、今後の整備について検討してまいります。

 最後に 
 

 以上、令和5年度の教育方針について申し述べました。
 新型コロナウイルス感染症の収束は未だ見通せない中、5月には感染症法上5類への引き下げも予定されています。教育委員会としても、学校や所管する文化スポーツ施設で混乱が生じないように、対応方針を共有して、なるべく「子どもたちの学びを止めない」、「文化やスポーツ活動を止めない」努力をしてまいります。
 議員並びに市民の皆さんの、一層のご支援ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

 施政方針はこちらからご覧ください。

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