1.リンパ浮腫について
血液が体をめぐる際、タンパク質を多く含む体液の一部が毛細血管から漏れ出します。漏れ出した体液は、リンパ管に回収されてリンパ液となります。このとき、体液が回収されずに皮膚の下にたまってむくんだ状態になることがあります。これをリンパ浮腫といいます。
リンパ浮腫は進行するにつれて、以下のような症状が起こります。
●軽度:むくみが起こってから間もない状態で、腕や脚を高く上げるとむくみが元に戻る
●中等度:腕や脚を上げてもむくみが戻らなくなり、皮膚を押したあとの凹みがはっきりする
●重度:関節が曲げづらくなる、皮膚が硬くなる、皮膚から体液が染み出すことがある
リンパ浮腫は、がんの治療や、がんそのものが原因となって起こります。自分が受ける治療でリンパ浮腫が起こる可能性があるかどうかは、担当医や看護師などの身近な医療者に確認しましょう。
蜂窩織炎に気を付けましょう
蜂窩織炎は、皮膚および皮膚の下の組織に最近が感染し、炎症を起こす病気です。特に、リンパ浮腫が起こっている皮膚は傷つきやすく、傷ができると感染や炎症を起こしやすい状態になっています。虫刺され、日焼け、やけど、すり傷など皮膚に傷を作らないように注意しましょう。
蜂窩織炎になると皮膚が赤くなり、熱さや痛みを感じます。また、38度以上の高熱、悪寒などの症状が出ることもあります。蜂窩織炎には抗菌薬による治療が必要です。皮膚が赤くなって熱さや痛みを感じるなどの症状があるときは、その部分を冷やしてなるべく動かさないようにし、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
2.リンパ浮腫が起こったときは
適切な治療を受けることで、リンパ浮腫の進行を抑えたり、症状を軽くしたりすることができます。リンパ浮腫かもしれないと思ったときは、できるだけ早く担当医や看護師などの身近な医療者に相談しましょう。
3.本人や周りができる工夫
リンパ浮腫の発症や悪化を防ぐためには、むくみが起こっていないかの観察やスキンケアなどが大切です。医師や看護師などの医療者に相談しながら、無理のない範囲で日常生活の中に取り入れましょう。
1)リンパ浮腫を早く見つける
リンパ浮腫が起こりやすい場所を知る、むくんでいないかどうかを確認する(下の図参照)、腕や脚の太さを定期的に測り治療前の太さと比べる

2)スキンケアで感染(蜂窩織炎など)を防ぐ
清潔にする、保湿する、保護する(傷を作らない) など
3)締め付けに注意する
衣類や靴など身に着けるものは、締め付けが強いものは避け、適度にゆとりがあるものを選ぶ
4)肥満を予防する
バランスのよい食事と規則正しい生活を心がける
5)リンパの流れを促す
適度に体を動かす、横になるときにはむくみがある腕や脚を10㎝~15㎝程度高くして休む(下の図参照)

出典:国立研究開発法人 国立がん研究センター ホームページ『リンパ浮腫:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]』
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