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シリーズ「島根あさひ社会復帰促進センター」その6 刑務所で働く職員について

イラスト  我が国の刑務所が受刑者の増加による過剰収容に苦しんでおり、PFI手法を活用して旭町に整備する予定の新しい刑務所には、このような過剰収容を緩和する効果が期待されていることを紹介しました。もっとも、苦労して刑務所の建物を造り上げても、そこで働く職員を十分確保できなければ安定した施設運営が難しくなってしまいます。そこで、今回は刑務所で働く職員について説明します。
  平成18年度における刑事施設(刑務所のほか、少年刑務所や拘置所を含みます。)で勤務する職員の定員は17,912人です。この中には、皆さんがすぐにイメージできるようなスーツにネクタイ姿で勤務している職員や医師をはじめとして、白衣を着て勤務している医療関係職員も含まれていますが、その多くは制服を着用して勤務している刑務官です。厳しい行財政事情の下で公務員の削減に取り組まなければならない状況は国も地方も同じではないかと思いますが、その中で、刑務所などは、この数年間にわたり毎年定員の増加を認められている数少ない国の組織です(別表参照)。

刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所)の民間職員の増加
(別表)
 

14年度

15年度

16年度

17年度

18年度

職員定員数 17,017 17,119 17,378 17,645 17,912
民間委託数 35 111 212 617 849

 刑務所をはじめとする治安関係組織の職員体制を確保し、国民が安全に安心して暮らせる社会を実現することが、政府としての優先課題になっている現状が示されたものといえるでしょう。
イラスト ところで、現在、全国には74庁(支所は113庁)の刑事施設がありますが(島根県には松江刑務所および浜田拘置支所があります。)、そこで働いている人たちは、今まで説明してきたような国の職員ばかりというわけではありません。近年、受刑者の急増による刑務官らの仕事の負担を軽くするため、民間の人々に実施してもらえる仕事は委託するようになっており、ここ数年間、刑務所などで働く民間の人々の数は大幅に増えています(別表参照)。高い塀に囲まれた刑務所は、犯罪とは無縁の大多数の国民、市民にとっては「閉ざされた世界」であり、そこに勤務する国の職員も、「外部の目」や「世の中の一般常識」を意識して仕事をしようという感覚が今までは乏しかったように思います。しかし、刑務所内で民間の人々が働いていることが当たり前になってくるとともに、私たち国の職員の意識も「国民に理解され、支えられる刑務所」を目指す方向に変わりつつあります。

  さて、『島根あさひ社会復帰促進センター』は、国と民間の職員がどのようにかかわり合う刑務所になるのでしょうか。

イラスト   この施設が運営を開始するのは平成20年度からなので、そこで働く官民の職員を確保するための作業を本格的に行うのは来年になると思われますが、現時点における法務省の試算では、施設全体の業務のうち40数パーセント程度を民間の人々に委託することになるものと見込んでいます。 既存の施設しか知らない国の職員の立場で見ると、この民間委託率の高さだけをとっても想像の範ちゅうを超えているのですが、施設の設計・建築や警備システムの整備といった刑務所の中核ともいえる重要な仕事までも民間に任せることにしており、「画期的」な施設整備と運営がなされます。
   しかし、この施設で本物の官民協働体制を実現させ、画期的な試みを見事成功に導くための最後の切札は、国の職員でもなく、民間事業者の職員でもなく、地元の皆さんとの関係であると思います。既存の刑務所では、「国民に理解され、支えられる刑務所」を目指して様々な努力を続けていますが、『島根あさひ社会復帰促進センター』がその理想的モデルとなるよう、今後の準備を進めていきたいと考えています。

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